管理職の装いにおいて大切なこと
「ビジネスでの装いはその人のポジションにふさわしいのはもちろん、その日の仕事内容に合わせて考えるべき」と語るのは、イメージングディレクターの高橋みどりさん。「誰と、どこに、どんな目的で仕事をするのかが重要です。たとえば大切なプレゼンなら正統派のきちんとスタイル、レセプションなら女性らしく華やかに……など、シーン別での装いを意識しましょう。私も若い頃は好きなものを着ていましたが、ニューヨークで仕事をしていた際に、“その日の仕事内容に合わせた装いをする”ことの重要性を身を持って知りました」
たしかに同じ役職についていても、職種はもちろん、その日のスケジュールや進行しているプロジェクトで日々の目的は違ってくる。そのことを自覚し、役職、職種、目的にふさわしい着こなしをすることが、女性リーダーのファッションでは大切にしたい。
管理職がファッションにかけるべき予算の基準は?
女性リーダーの中には、初対面の取引先から「どちらが上司?」などと言われてしまった経験を持つ人も少なからずいるよう。では、部下と一線を画した装いには何が必要なのだろうか。
「ファッションにかける予算を月収の2割ほどを基準としてみましょう。たとえば年収が600万円の人は、月収が50万円ほどと考えると、スーツは2割ほど、つまりこの場合10万円ほどが予算。インナーはさらにその2~2.5割の2万円台に、バッグや靴などの小物は5割前後の5万円ほどというように計算します。そうすると、ポジションが上がるとそれに比例して年収も上がっていきますから、装いの明確な基準が自然と身に付きます」
働く女性のファッション予算の考え方
・インナー=スーツ予算の2~2.5割
・バッグ、靴、小物=スーツ予算の5割
仕立てがいいほどいい、高価なものほどいいのではなく、ビジネスでは身の丈に合っている装いができるかどうかもセンスのうち。20年ほど前に高橋さんがセレクトショップの立ち上げに関わった際の、綿密なマーケティングにより弾きだされたこの基準は広く知られることとなり、働く女性の仕事服を確実にレベルアップさせている。