伸びる人は目的を重視するが、凡人は手段を重視する

先に述べた「目的達成のためには手段を択ばない」にも関連しますが、優秀な人は目的達成志向が非常に強い傾向があります。そのため「それは目的達成のために効果的なのか?」を考え、それに必要な手段を選ぼうとします。

しかし凡人は、目的よりも手段を重視します。たとえば「自己投資」という言葉を聞いたとき、彼らがパッと思いつくのはビジネス書を読むことや資格取得の勉強などです。

しかし、自己投資の本当の目的は何だろうか。今の会社の中で認められて昇進すること、転職してキャリアアップを図ること、あるいは起業することなどが挙げられるでしょう。では、そのためには何が必要か。

すると、営業成績を上げるために提案書をブラッシュアップしようとか、転職エージェントに相談し、自分に不足しているスキルを指摘してもらおうとか、サイドビジネスを始めてみようなどと、適した手段が見えてくるはずです。

そうやって本来の目的を掘り下げていったとき、より効果のある手段を選ぶことができ、最短コースで目的達成に至る可能性が高くなります。

教育やカジュアルな勉強のライフ スタイル
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聞くだけで英語はペラペラにならない

一方で、手段を重視すると効果のない方法を安易に選んでしまいがちです。

たとえば『毎日聞くだけ! 90日で英語がペラペラになる!』などといった英語教材。この場合、購入者の判断基準は「ラク」ということであり、「効果」ではないように思います。

そもそも語学の習得にはインプットとアウトプットの両方が必要ですし、幼児と違ってすでに日本語という言語体系を持っている大人にとって、「聞くだけ」では効果が低いことがわかっています。

これは健康に関しても同じで、たとえば10種類の野菜が入ったインスタントスープを、値段が高くても買う行為。

これも、本来の目的は野菜に含まれている栄養素を摂取することであって、野菜そのものを食べることは目的ではないでしょう。なのに、農薬まみれで育てられ、乾燥・加熱・粉砕された野菜スープに、いったいどれだけの栄養素が残っているか、考えてみたことはあるでしょうか。

つねに本来の目的を意識し、「それって目的達成に本当に効果があるの?」を自分に問い続ける姿勢を忘れないようにする必要があります。