サッカーも男子たちの中でやってきた

——相当なアピールだったんですね。

「当時の女性としては珍しく、自己肯定感高めでキャリアを積んできた」と振り返る岡島さん。
「当時の女性としては珍しく、自己肯定感高めでキャリアを積んできた」と振り返る岡島さん。(撮影=早草紀子)

【岡島】それほどでもないですけど(笑)。将来仕事をしっかりしていくにはバックオフィスじゃなくて、審査のトレーニングを受けないと幹部にはなれないと同僚からも言われていたので、ここがチャンスだ! と思いました。でもこの研修プログラムは厳しかったですよ。アメリカの支店から来る人ばかりで、コロンビア大学のMBAの先生が教えてくれるんですが、コーポレートファイナンスやアカウンティングなどなど、70点取れないとすぐクビになるんです。実際私が行った研修でも5人がクビになりました。

——そういう厳しい世界で、最初から幹部候補というキャリアをイメージしていたのですか?

【岡島】そうですね……。私負けず嫌いなんです。競争するところに置かれると自然とがんばってしまう。やればできるんじゃないかっていう根拠のない自信がありました。それって運動能力が絶対に関係してくると思うんです。サッカーだって男の子の中でやってもできると思ってがんばったらできちゃった。一生懸命やってみればある程度できるんじゃないかって。当時の女性では珍しく自己肯定感強めでやってきたことが活きたのでしょう(笑)。

助けてくれる人を見つけるのが得意

——新しいところに挑戦していくことを苦と思わないメンタルは絶対に必要ですよね。

【岡島】そうですね。私は助けてくれる人を見つけるのは上手だったと思います。日本女子サッカー連盟を作ったときも、所属チームにコーチがいなかったので、自分で指導者のD級ライセンスを取りに行き、その場でコーチをスカウトしてきたんですよね。その方は後に女子代表チームの監督にもなって、いろいろ知恵をつけてくれた。日本女子代表チームを作るには連盟を作らないといけないっていうことも教えてもらった。

ケミカルバンクで働いていた頃は、アメリカ人上司が認めてくれました。助けてもらうには、誰がキーパーソンかを見つけないとダメなんです。こちらの話をよく聞いてくれるのはキーパーソンタイプの人が持つ特長の一つだと思います。能力のある人は、人を助けたいという気持ちがあるんだと思うんです。そこをリトマス紙的に見ていたところもありました。自信があって能力のある方は他人の価値をわかって、助けてくれようとする。話をしていて、そういう方を見つけてお客様になってもらうということをしていました。