手数料の高い外貨建て商品に要注意

最近では海外株式に投資する投資信託はずいぶん手数料も下がり、わかりやすくシンプルな構造のものが増えてきています。にもかかわらず、多くの金融機関で外貨建て個人年金保険のような複雑な商品を熱心に勧めてくるのは「金利の高い外貨建て商品」はほぼ金利がゼロに近い円商品よりも厚い利ザヤを彼らが稼げるというのがその理由だからです。

でもこれはあらゆる金融商品に言えることですが、シンプルで手数料の安いものこそが顧客にとっては良い商品なのです。「これからは通貨分散が必要だ」という一見納得性のありそうな勧誘文句につられて、やたら手数料の高い外貨建て商品を買ってしまうことのないよう、注意することが必要です。「外貨を持つこと」と「外国資産を持つこと」は明らかに違うということをぜひ知っておいてください。

大江 英樹(おおえ・ひでき)
経済コラムニスト

大手証券会社に定年まで勤務した後、2012年に独立し、オフィス・リベルタスを設立し、代表に。資産運用やライフプランニング、行動経済学などに関する講演・研修・執筆活動などを行っている。近著に『定年前、しなくていい5つのこと』(光文社新書)など。