孤独死を恐れない

1人で暮らしていると孤独死を心配する人も多いのではないかと思います。

孤独死対策としては、やはり基本は健康に気を使うことです。そして、いざとなったときにちゃんと連絡がつく家族や友人がいれば、死ぬ寸前まで1人で暮らすことも難しくないと思います。

私が1人でふらふらと自由気ままにするのが好きなのは、どうやら遺伝のようで、亡くなった私の母も、そういう人でした。

母は89歳で亡くなりましたが、その3カ月前まで、父が亡くなってからずっと1人暮らしを楽しんでいました。認知症もなくずっと元気だったのですが、眠れなくなってしまい、気力もなくなり具合が悪いので病院で診てもらったところ、大腸がんのステージ4でした。

しかし、入院した後もサバサバしたものでして、

「もう随分と人生を楽しんだので、本当は早くさっさと向こうに行きたいから、注射の1、2本打つので済ませてくれればいいんだけど、病院の仕組みがそういうわけにはいかないんだから、面倒臭いわよね」

などと言いながら、各種の検査を嫌々受けていたのが印象的でした。

そして、入院から3カ月弱、最後の1カ月は緩和ケア病棟に移り、兄に見守られながら、眠るようにして亡くなりました。

1人暮らしが孤独で寂しいと言うのは、1人暮らしが好きでない人の言い分なのかもしれません。逆に私と同じように、1人暮らしが大好きなタイプの人のなかには、1人で最後まで暮らしたいと思っている人も少なくないでしょう。これは、もう各人の性格と選択によるのだろうと思います。

介護施設に入るだけの蓄えをする

母を看取ったのは兄でしたし、最後は病院でしたから、私は介護の経験がありませんが、やはり、自分が介護を必要とするような状態となって、娘たちに迷惑をかけるのは嫌です。なので、毎日長い距離を歩いて、せっせとゴルフクラブやスポーツクラブに通い、食生活に気を使うのは、そのためでもあります。

もし、本当に介護が必要になったら、施設に入ろうと思います。

介護施設に入るには、なんと言ってもお金が必要になります。持ち家は必要ないと思っていますが、いざとなったときに十分なサービスを受けられる施設、しかも子どもたちの家からさほど遠くないところに入るには、数千万円以上のお金が必要になります。

そのぶんを子どもに頼るのは論外です。しっかりとドルコスト平均法で貯めておきたいと思います。

自分のことは自分で面倒を見る

男性よりも女性のほうが寿命が長いというのは、もともと女性のほうが病気になりにくいということもありますが、もうひとつ大きな要因として、女性のほうが家事能力に長けているということもあるでしょう。

勝間和代『健康もマネーも人生100年シフト! 勝間式ロジカル不老長寿』(宝島社)
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家事をすることで、こまごまと動きますし、清潔で健康的な生活を、自分で保つことができます。もちろん、そうしたことを男性も心がければ、寿命だって女性に近づくのではないかと思います。

男女問わず、自分のことは自分で面倒を見ることができて、死ぬまで1人暮らしをするというのはひとつの理想だと思います。

幸い、現代ではさまざま調理家電や自動のロボット掃除機など、各種家電が揃っています。こうしたテクノロジーを活用すれば、たとえ高齢になったとしても1人暮らしで快適な生活をすることは、まったく問題なくできることでしょう。

勝間 和代(かつま・かずよ)
経済評論家/株式会社監査と分析取締役/中央大学ビジネススクール客員教授

1968年東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題、若者の雇用問題、ワーク・ライフ・バランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言を行う。著書に『勝間式食事ハック』(宝島社)、『勝間式超ロジカル家事』、『勝間式超コントロール思考』『ラクして おいしく、太らない! 勝間式超ロジカル料理』(以上、アチーブメント出版)などがある。