時間帯での売上を把握する

次の日のノートには「シフト、売上」と書いてあります。

実は、入社当日から、自己流で売上をつけ始めていました。

初めて働く私には、ショップ運営に必要な帳簿の付け方もわからないし、レジもエクセルも使えません。レジで時間帯別の売上など様々なデータが出せると思うのですが、もちろんそれも当時はわからなかったのです。

まさに暗中模索のアナログで、一つひとつ計算しながら、売上や純売上、客数、客単価、スタッフ数、売上累計、前年比などを記入してまとめ始めたのです。比較したかったので、私が勤め始める前のデータもまとめました。お恥ずかしいことに、当時は純売上という言葉すら知らなかったと思います。

商売のことがわからないなりに、この時間帯にこの価格帯のものが何個売れたとか、この型番の商品が何着売れたなどを目に見える形で残すようにしたのです。

素人なのになぜこのような記録をつけようと思ったかというと、おそらく在庫を管理するための材料が欲しかったのだと思います。商品の仕入れも私が行っていましたので「このレンジ、価格帯の商品は今の時期◯着は売れるから、売り場に◯着置いておくと十分だろうな」などと活用していました。

ノートに記録して工夫できることは何でも試した

ノートを見返してみると、日々細かいところまでいろいろと工夫していたことがわかります。「ベルトの場所は必要ないのでは」と書いてあったりして。売り場にベルトを置いている一角があったのですが、売上に対してそんなにスペースは必要ないのではないかと思っていたんですよね。10坪の店なので、小さいスペースのやりくりも大変です。

そのほか、時間帯売上を見てお昼休憩のやりくりをしたり、イベントや納品などのスケジュールまで考慮してスタッフを増減させたり、いろいろ工夫しています。

今思うとPOSレジのリアルタイム売上管理のようなものを手書きのアナログでやっていたんですよね。見返すと原始的すぎて笑ってしまうのですが、我ながらすごいと思います。

小さな店とはいえ、やがては経営者になるのだからと、できることはなんでも試して書き出していました。

藤﨑 忍(ふじさき・しのぶ)
ドムドムフードサービス社長

1966年生まれ。東京都出身。青山学院女子短期大学卒。政治家の妻になり、39歳まで専業主婦。しかし夫が病に倒れ、生活のために働き始める。最初はギャルブームの頃のSHIBUYA109のアパレル店長。店の売上を倍増させたが、経営方針の違いから経営者と対立し、退職。アルバイトでしのぐが、たまたま空き店舗を見つけ、居酒屋を開業。すると料理の美味しさや接客の良さで一躍人気店に。その腕を常連客に見込まれ、ドムドムのメニュー開発顧問に。「手作り厚焼きたまごバーガー」をヒットさせ、ドムドム入社。その後わずか9カ月で社長に。「丸ごと!!カニバーガー」などが話題になり、ドムドムの業績は確実に回復している。テレビ朝日系「激レアさんを連れてきた。」出演で話題に。