資産1億円でも格安バスツアーが落ち着く

節約家のお金持ちは海外旅行にいくときにはエコノミークラスを使います。国内旅行では格安バスツアーを好んで利用します。豪華なツアーなどに参加すると落ち着つかないのです。彼らにとっては倹約しているほうが心は安定します。だから続けられているのです。

「彼らが幸せかどうか」という問いへの答えは、幸せということになるでしょう。仕事を選ぶ自由があり、倹約していることが心の安定につながっているからです。

もし彼らから学べることがあるとしたら、それは節約を仕組み化することです。通信費などの固定費は一度、プランを見直して料金を下げると、その効果は継続します。一方で食費など変動費を節約しようとすると、常に我慢しなければ出費を減らすことができません。それではストレスが溜まってしまいます。

すでに資産1億円を達成した人も、最初は貯めようと意識していたはずですが、仕組み化ができて習慣化しているので知らない間にどんどん貯まっているのです。目標額や使う目的があるわけではありませんが、お金はあったほうがいいので続けているだけなのです。

意識しているかはどうか別にして、貯め上手な人はストレスがたまりにくい方法を実践しています。その点は真似すべきではないでしょうか。

藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー

生活デザイン代表取締役社長。自動車会社で燃料電池自動車の研究に携わった後、FPに転身。家計の個人相談の普及を目指して2001年に設立した「家計の見直し相談センター」では、すでに3万世帯を超える家計診断を行っている。家計管理、生命保険、資産運用など幅広い分野に精通。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。 生活デザイン株式会社 オフィシャルサイト