足るを知れば、自然と資産1億円が貯まる

「足るを知る者は富む」という言葉があります。仏教の教えを説いた老子の「道徳教」が由来と言われますが、満足することを知っている人は、たとえ貧しくても心が豊かであることを意味しています。

彼らは、まさに「足るを知る」状態なのです。「いまの状態で十分幸せなのに、これ以上何が必要なのか」と感じているのです。一方で収入が足りないと考えている人は、実際に年収がアップしたとしてもそれに応じて生活の水準を上げてしまうので、常に「お金が足りない」と感じています。どこまでいっても満足できません。

理想の年収は「現在の2倍」が一般的

ある調査によると、「あなたの理想の年収は?」と聞かれて、答える金額は現在の年収の2倍が一般的だといいます(出典:『お金への考え方を変えよう』デビッド・クルーガー著)。年収300万円の人であれば600万円、年収1000万円の人であれば2000万円、年収5000万円の人であれば1億円というのです。

国内では、年収と満足度の関係についての調査結果があります(図表1)。

内閣府の「満足度・生活の質に関する調査」に関する第1次報告書(2019年5月)によると、年収2000万円以上3000万円未満までは年収が上がると満足度も徐々に上がっていきますが、3000万円以上になると満足度が逆に下がっていくようです。結果、年収1億円以上の人の満足度は、年収700万円未満の人とほぼ変わりません。

お金を使って満足をする文化が染みついてしまい、どんなに年収が上がってもさらに上を見て豊かさを感じることができなくなっているのではないでしょうか。それではきりがありません。