履歴書代わりにも使える

リンクトインは今年に入って急速に注目度が高まっており、私の周りにも実際にこれで転職した人もいます。以前は外資系や金融業界での転職に強かったのですが、最近はほかの企業や人材も続々と参加。履歴書代わりに使っている人も多く、ホワイトカラーの職探しなら、ほぼすべての業種で役に立つようになっています。

また、企業の人事担当者や中小エージェントの間でも、優秀な人材が見つかるツールとして評価が高まっています。ほかにも採用側のメリットとして、無料で求人ができる、アメリカ発のSNSのため英語に強い人材を見つけやすい、リファレンスチェックが簡単にできるといったことが言われています。

リファレンスチェックとは、人事担当者やエージェントが採用候補者の前職での勤務状況や、人柄を把握するために行うもの。一般的には前職の上司などに問い合わせて、こうした事柄を聞き取っていきます。

つまり第三者の証言をもとに候補者を評価するわけですが、その人がリンクトインに登録していれば、プロフィールやフォロワー、投稿などが評価のもとになることも。候補者のビジネス上のつながりが可視化されている上、どんなスキルを持っていて誰が推薦しているか、普段どんな会話をする人なのかといったことまでわかるからです。ある意味、職務経歴書やリファレンスチェックよりも「その人のリアルがわかる」と言えるでしょう。

転職サイトやエージェントとあわせて活用を

ただし、リンクトインは転職専門のサービスではありません。メインとなる価値はあくまでも交流や情報収集であって、「そこから転職につながる可能性もある」ぐらいに捉えておいたほうがいいと思います。すぐに結果が出るものではないので、転職を急ぐ場合は転職専門サイトを使うのがおすすめです。

転職専門サイトやエージェントは、それに特化しているだけあって情報量も豊富。登録企業も採用だけを目的にしているので、選考も結果もSNSよりスピーディーです。それでも、35歳以上で転職活動をするなら、私は両方を同時に使っていったほうがいいと思います。

自分のペースでゆっくり活動したい、それほど多くの情報はいらないという人ならビジネスSNSは不要かもしれません。でもその分、納得のいく転職ができるのは先になるかもしれず、市場の傾向から言えば、転職は年齢が上がるほど決まりづらくなっていきます。

情報の流通量を増やし、選択肢を増やしていけば転職成功の可能性も高まっていきます。転職サイトや転職エージェント、ビジネスSNSなど使えるものはできる限り使って、その可能性を高めていただければと思います。

構成=辻村洋子

黒田 真行(くろだ・まさゆき)
転職コンサルタント、ルーセントドアーズ代表取締役

1965年兵庫県生まれ、関西大学法学部卒業。1988年、リクルート入社。以降、30年以上転職サービスの企画・開発の業務に関わり、「リクナビNEXT」編集長、「リクルートエージェント」HRプラットフォーム事業部部長、「リクルートメディカルキャリア」取締役などを歴任。2014年、リクルートを退職し、ミドル・シニア世代に特化した転職支援と、企業向け採用支援を手掛けるルーセントドアーズを設立。30年以上にわたって「人と仕事」が出会う転職市場に関わり続け、独立後は特に数多くのミドル世代のキャリア相談を受けている。著書に『採用100年史から読む 人材業界の未来シナリオ』(クロスメディア・パブリッシング)、『35歳からの後悔しない転職ノート』(大和書房)など。