「甘夏みかん」投入も、購入者はミドル層がメインのまま
すると、まず売れる時間に変化が見えるようになった。朝だけでなく“午後”の時間帯に、自販機でフレーバーウォータータイプが売れ始めたのです(現在は販売終了)。
商品群の多くは、「甘夏みかん」や「徳島ゆず」「シークワーサー」などの季節の果汁に、ミントやジャスミンなどさわやかな香りを加えたもの。このことから、「たぶんランチ後のほか、ホームで電車を待つ間などに、爽快感やリラックス、リフレッシュ感を求めて買ってくださるのではないでしょうか」と飯田さん。
ただ、それでも“夕方~夜”にかけての時間帯は伸び悩み、ユーザーも依然として40、50代の男女が中心だったといいます。
独自のゼリー飲料を模索
そこで若者を意識しつつ、「夕方~夜の時間帯を取りに行こう」と目をつけたのが、「ゼリー飲料」というカテゴリー。
飯田さんいわく、ゼリー飲料は毎年、大手メーカー数社がナショナルブランド(NB)の新商品をラインナップ。若年層が夕方以降、それを好んで買う様子が、過去の販売データから見えていたそうです。
キーワードは、帰宅前のちょっとした「小腹満たし」。
とはいえ、他のメーカーと同じような商品を展開したのでは、あまり意味がない。また、「NBのゼリー飲料の顧客はその後、果汁や炭酸に流れる傾向が強く、リピーターがつきにくいことも分かっていた」と飯田さん。
そこでJR東日本グループならではの独自性(谷川連峰の天然水)と、清涼感を感じさせるゼリー飲料として、製造メーカー(ハルナプロデュース)とともに、「天然水ゼリー」という画期的な新商品の開発に至りました。