良い場所を見つけたらリピート
色以外だと、「家から近い都内にある」「Wi-fiがある」「パソコンを触っている人が、自分以外にもたくさんいる場所」に行きます。
条件面だけが当てはまっていたとしても、細かなところにこだわるこだわりさんも多いです。「静かな場所だから大丈夫だと思っていたら、微妙に伝わる些細な振動が気になってしまって集中できなかった」などというケースもよくあります。実際に行ってみないと好き嫌いがわからないので、一度良い場所を見つけたら、その場所をきちんと覚えておいて、同じ場所に通い詰めるのがおすすめです。そして、その場所へ通い詰めれば、次第に「その場所に行くと頭のスイッチが切り替わる」というパターン化に成功します。
そうなれば「今から集中しよう!」「今からリラックスしよう!」と自分が気合を入れなくても、自然と頭が切り替わってくれます。
なお「ここは相性が合わない」と思った場所は、無理せずどんどん変えましょう。理由がわからなくても、「なんだかうまくいかないな」という場所で無理して続けたり、その場所に慣れようとしたりするよりは、さっさとその場所には見切りをつけて、新しい場所を探しにいくほうが、頭のスイッチは切り替わりやすいと思います。
「場所」と「行動」をセットにする
なお、集中力をオンにして仕事に取り掛かる場所だけではなく、しっかり休むための場所も大切です。特に、今の時代は、スマホでいつでもメールがチェックできてしまうので、仕事から逃れられないという人も多いのではないでしょうか。そんなときには、「徹底的にリラックスできる場所」を確保しておきましょう。
私の場合は、「自分が集中できる場所」と「リラックスして癒やされる場所」を何か所か確保しています。現在、私がリラックスする場所として決めているのは、近くに川が流れていて、自然を眺めながらぼんやりできるカフェです。天井が高くて、開放感があるので、初めてその店に行ったときに、「あぁ、この店はすごく気持ちがいいな」と気に入ってしまい、以来、休みたいと思うときは、このカフェに行くようになりました。そうやって「場所」と「行動」をワンセットにしておくと、その場所に行くと、どんなに仕事で煮詰まっていても、気持ちがリセットされるようになり、頭の中が自然と整理されていきます。
また、この場所にいるときは自分の中のスイッチを完全にオフにしたいので、スマホやパソコンも持っていきません。誰からの連絡を待つこともなく、ただひたすらのんびりします。
上智大学卒。ASDとADHD(注意欠陥多動性障害)の当事者。ASD優位で空気を読むことが大の苦手。新卒で営業としてキャリアをスタートするも、約1年でうつ病を発症。復職し、発達障害であることの強みを活かして営業成績2位をおさめる。入社満3年を迎えるとともに退社し、会社の同期が設立したCare Earth(株)に誘われて入社。現在ではキャリアアドバイザーとして、キャリアに悩む人たちの転職サポートを行っている。また、キャリアや生活で悩む発達障害の人へのアドバイスなどを中心に、コーチングも行っている。