夫の家事時間が長いほど、妻の昇進意欲は伸びる

実際、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2015年に公表した「女性管理職の育成・登用に関する調査」では、配偶者の家事・育児・介護時間が長いほど、女性の昇進意向が高いことが明らかにされています。まあ、こんなの、ママたちからしたら「当たり前だろ!」ってデータです。

前田晃平『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!』(光文社)
前田晃平『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!』(光文社)

本稿のテーマである「男性の家庭進出」は、単に家事育児を頑張ってやる、ということだけではありません。その真の意味は、社会に向ける視点のアップデートです。

男性本位の視点や、ビジネスパーソンの視点でしか社会を見られないと、女性の管理職比率が低いことを、女性の自己責任だと勘違いしてしまいます。これは、あまりにも近視眼的であり、課題の本質を見誤っています。家庭から社会を眺めると、これまでとはまったく異なる景色が見えます。ビビるほどに。

私たちの社会を、みんなにとってより良くするには、まずはこの男性の認知の歪みの是正が第一だと思います。そしてその起点は、ママと同じ体験をすることではないでしょうか。

前田 晃平(まえだ・こうへい)
マーケター/認定NPO法人フローレンス 代表室

1983年、東京都出身。慶應義塾大学総合政策学部中退。リクルートホールディングス新規事業開発室プロダクトマネージャーを経て、現在、認定NPO法人フローレンスでマーケティング、事業開発に従事。政府・行政に政策を提案、実現するソーシャルアクションを行う。妻と娘と三人暮らし。毎日子育てに奮闘中!