何もしない時間を持とう

とはいえ職場の人間関係は、すぐに変わるものではありませんから、自分なりの乗り越え方を知っておくことが大切です。それは自分の価値観で「幸せだな」という時間をなるべく多く持つこと。もちろん仕事以外のプライベートでもOKです。幸せだなと思えることを生活の中でどんどん足す。加点方式で幸せポイントを増やして、会社がいやだ、行きたくないという濃度を薄めていくしかありません。

脳が幸せと感じるポイントは、次の3つです。

①ワクワク楽しんでいるとき

仕事でも趣味でもワクワク楽しんでいると自分が感じていると、脳が幸せを感じます。

②自分の存在が認められているとき

自分が認められている、そのままでいいんだ、と承認欲求や存在欲求が満たせていると、誰もが幸せを感じます。

③リラックスしているとき

寝る瞬間やペットと遊んでいるときなど、穏やかにリラックスして過ごしているときは幸せを感じます。

いちばん手軽なのは③。睡眠時間をたっぷりとったり、何もしない時間を過ごしたりといったことは、手軽に幸せになれるおすすめの方法です。ぜひ積極的に取り入れていきましょう。①や②については、趣味のサークルや資格の学校など、仕事とは別のコミュニティで居場所をつくると、満たされるでしょうね。

この3つのどれかで自分の幸せポイントを加算していけば、嫌な人間関係も相対的に気にならなくなり、会社に行きたくないという気持ちも少しずつ薄れていくはずです。

井上 智介(いのうえ・ともすけ)
産業医・精神科医

産業医・精神科医・健診医として活動中。産業医としては毎月30社以上を訪問し、精神科医としては外来でうつ病をはじめとする精神疾患の治療にあたっている。ブログやTwitterでも積極的に情報発信している。「プレジデントオンライン」で連載中。