周りの意見に流されがちな自分を変えたい
みんなの意見はAだけど、自分はBだと思っている場合、「自分の意見を主張すると輪を乱してしまう」「これを言うと相手を傷付けるかもしれない」などと考えたり、結局何も言えずじまいで「自分は本当に引っ込み思案だな」と、落ち込んだりすることがあるかもしれません。
一般的に、自分の意見を主張できない人というのは、主張することによって嫌われたり、わがままだと思われたりすることを恐れている傾向にあります。
そして、その根底には、「相手の意見を否定することは、相手そのものを否定することだ」という考えが潜んでいます。
けれども、相手と異なる意見を主張することは、相手そのものを否定することではありません。
本当の気持ちを抑え込んでいると、自分でも自分がわからなくなってしまいます。ですから、日ごろから、YESに流されそうなシチュエーションにおいても、自分的にNOならば、それをちゃんと伝える練習をしておきましょう。
私が、そうやって流されることで悩んでいる方に言っているのは、「TwitterなどのSNSでブロックする練習をしたほうがいいですよ」ということです。
Twitterのブロックは、NOを言う練習
精神的に病んでしまう人というのは、真面目で優しい人が多いです。
そのため、周りに気を使って自分の意見を主張できなかったり、嫌なことがあっても嫌だと言えずに苦笑いで済ませたり、NOという意思表示をできないことがよくあります。そういう方は、SNSで嫌いな見知らぬ相手をブロックするのも「失礼かな」「逃げたと思われるかな」などと考えてしまい、抵抗があるようです。
でも、近年はSNSの誹謗中傷が原因で亡くなる方もいるほどです。投げつけられる意見を底なしに受け止めていると、自分がどんどん傷付いてしまいます。だから、「嫌だな」と思ったら、即座にブロックをしましょう。
「ブロック=NOという意思表示」なので、ブロックするという経験を積み重ねていくと、実生活でも相手にNOを突き付けることに抵抗がなくなっていきます。ブロックボタンを押すことで、NOを言う抵抗感を麻痺させていく感じです。
ちなみに私も、すぐにブロックをします。
先述の通り、私は医療界でものすごく嫌われているので、Twitterにたくさん批判的な意見が届きます。コメントをしてくる方のツイートをのぞくと、医学的な話をされているので、やっぱり同業者なんだなと思う次第です。
だから、その手のアカウントは、息をするようにブロックします(笑)。
数をこなすと、本当に何とも思わないです。おすすめですよ!
産業医・精神科医・健診医として活動中。産業医としては毎月30社以上を訪問し、精神科医としては外来でうつ病をはじめとする精神疾患の治療にあたっている。ブログやTwitterでも積極的に情報発信している。「プレジデントオンライン」で連載中。