新型コロナウイルス感染症のまん延で経済は大きな打撃
新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)のまん延で経済は大きな打撃を受け、株価は感染拡大が本格化した2020年3月にいったん大きく下落。この状況をリーマン・ショックと重ね「大不況に陥るのでは」と恐れる向きもありましたが、私は当初からそうは考えませんでした。
リーマン・ショックはサブプライムローンという問題のある資産を組み入れた複雑な金融商品が出回り、投資家がその真のリスクを見極められず、パニック売りしたことに端を発し、金融の問題が実体経済に波及して深刻な不況を招いたものです。
これに対してコロナは天災です。一時的に活動が制限され、経済が停滞していますが、経済に本質的な問題が起きたわけではありません。
事実、投資家の心理を表す恐怖指数ともいわれるVIX指数は、一時リーマン・ショック時の水準まで上昇しましたが急低下。それ以後は低水準で落ち着いています。また、日米の株価は大きく上昇し、NYダウ(ダウ工業株30種平均)やナスダック総合指数は史上最高値を更新し、日経平均株価もバブル崩壊後の再高値を更新しています。