骨のピークは20代。骨老化は若年層でも起こる
運動量が低下することでもっとも心配なのは「骨老化」だという。骨密度は思春期から高まり、女性ではおよそ20歳、男性ではそれより少し遅れてピークを迎える。このピークは女性の場合閉経の頃まで維持され、男性の場合は40歳代頃から低下していくという(図表1)。
年齢とともに、男性は緩やかに骨密度が低下していくが、女性は閉経を境にガクンと低下する。骨の破壊を防いだり骨の形成を促したりしていた女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が急速に減少するためだ。
「最大骨量に達するまでの間、さらに一定量を維持できる期間に、骨密度を高める努力、つまり骨貯金をしておくことがとても重要となります。しっかりとした骨格をつくる時期に活動量が少なくなるのは問題です」(中山先生)
骨量アップにはカルシウムだけじゃない! ビタミンDとクエン酸がカギに
中山先生によると、骨を丈夫にするために重要なのは「栄養」と「運動」。ただし、カルシウムを摂取するだけでは不十分だという。
「骨を丈夫にするにはビタミンDが重要です。ビタミンDは日光にあたると皮膚でつくられるため、おこもり生活でも積極的に日光に当たる機会をつくりましょう。また、カルシウムの吸収効率を高めることも重要です。レモンに含まれるクエン酸はカルシウムの吸収効率をアップさせることがわかっています」
カルシウムは吸収しにくいミネラルで、カルシウムを豊富に含む牛乳でも吸収率は50%程度、小魚は30%程度にとどまる。レモン果汁に含まれるクエン酸はカルシウムをキレート(溶けやすい形に変えること)して、腸からの吸収を促す(※1)。実際、レモン果汁とカルシウムを含む食品の摂取で、骨密度が改善されることがわかっている(※2)。
※1堂本時夫「レモンの健康効果に関する研究の動向」より
※2ポッカサッポロ「広島県大崎上島町におけるレモン長期観察介入研究」より
小魚料理にレモン果汁をかけたり、牛乳と混ぜてラッシーにしたりなど、カルシウムを含む食品と一緒に摂ると効果的だ。