導入へのハードル4つ

しかし、コロナ下だけではなくポストコロナでも多くの企業が導入するのかといえば、ハードルも高い。具体的な導入に伴う問題点は以下の4つだ。

①収入2割減に耐えられる人とそうでない人が発生する
②昼夜3交代勤務で稼働している工場などは増員が避けられず、業種・職種によって難しい人が発生する
③週休3日制を選択した人と週休2日の人との間で昇格・昇進や昇給格差が発生する可能性がある
④契約社員など非正規フルタイムを制度から外すのは不公平になる

「2割減」は楽ではない

収入が減ることになれば①のように週休3日を選択したくてもできない人が発生する。厚生労働省の調査によると、短時間労働者を除く一般労働者の20~24歳の平均賃金は約21万円、25~29歳約24万円、30~34歳約28万円、35~39歳約31万円、40~44歳約33万円、45~49歳約35万円だ(2019年「賃金構造基本統計調査」)。これが2割減の8割支給となると、以下の金額になる。

20~24歳 約17万円
25~29歳 約19万円
30~34歳 約22万円
35~39歳 約25万円
40~44歳 約26万円
45~49歳 約28万円

この中には残業代は含まれていないが、週休3日制になったとはいえ、この金額で1カ月生活するのは楽ではないはずだ。ちなみに標準的な勤労者世帯の生活費である「標準生計費」(税・社会保険料含む)は、1人世帯約15万円、2人世帯20万円、3人世帯24万円だ(全国平均)。猪口氏はテレビ番組で「若い人がすぐに辞めてしまうという現状も変わるかもしれない」と言っているが、この給与で週休3日を選択する人がどれだけいるだろうか。副業するにしても、今より割のいいバイトや副業先がそれほどあるとは思えない。ましてや子育て世代の30~40代にとっては休日を増やすより、給与が上がることを選ぶのではないだろうか。

もちろん大企業(従業員1000人以上)の平均賃金はこれより高いが、30~34歳で2~3万円程度高い程度だ。結局、週休3日を選択できる余裕のある人は一部の大企業や業種に限られるのではないか。