買って売るのセットで一生モノの投資スキルを

銘柄を選ぶのが難しそうなら、ETFに投資するという方法もあります。

日経平均に値動きが連動するETFは3万円程度から投資でき、国内の225銘柄に分散投資するのと同様の成果が得られます。少額で銘柄分散ができ、個別の銘柄に投資するより値動きが抑えられます。ETFにも配当金があり、225銘柄の配当利回りは平均1.6%程度(2月初旬現在)です(実際のETFの配当金とは異なります)。

ETFには東京証券取引所に上場する全銘柄の株式で構成されるTOPIXに連動するタイプもありますが、株式市場のトレンドがK字型であることを踏まえれば、上向きの銘柄だけに投資したいところ。その意味では日経平均に連動するタイプが良さそうです。個別銘柄と同様に、少額ずつ、時期を分けて投資しましょう。

買うより売るほうが難しい

個別銘柄に投資する場合も、ETFに投資する場合も、重要なのは、「買うだけでなく、売る経験をしてみること」です。実際に投資をしてみると、もっと上がるのではないかと考えて売りそびれたり、下がると目を背けて放置してしまったりと、自分の投資の癖に気付かされます。買う、売る、をセットで経験して、「もっと早く売るべきだった」「持っていればよかった」などのトライアル&エラーを繰り返していくと、自分に合った投資の仕方が身に付き、投資の腕も上がっていきます。

投資は豊かに生きるためのたしなみであり、運用のスキルは一生モノです。リスクをとってもいい資金を、少額ずつ、銘柄も分散する。そうした投資のセオリーを守り、レッスンの意味も込めて挑戦するのがおすすめです。

構成=高橋晴美

深野 康彦(ふかの・やすひこ)
ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルリサーチ代表。1962年生まれ。中堅クレジット会社勤務などを経て、独立。完全独立系ファイナンシャルプランナーとして、個人のコンサルティングを行いながら、テレビ・ラジオ番組への出演、新聞・マネー雑誌・各種メールマガジンへの執筆など、さまざまなメディアを通じて投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。