無茶ぶりにはイエス・ノー答えてはいけない
上司に無茶ぶりばかりしてくる人がいて、残業が多くなったり、休みがなくなったりして困るという声もよく聞きます。これも面倒くさい人のひとつのタイプですね。
無茶ぶりされたときは、現状を伝えて代替案を提出するのがベストです。無茶ぶりする人は、マイペースで相手の忙しさや状況を考えられない想像力のない人。相手が何を求めているかわからない人なので、クライアントを怒らせたり、もめたりすることもあります。だからといって、頼みを断ると雰囲気が悪くなるので、代替案を出すのです。
たとえば「今日の午後からA社で企画の打ち合わせをしてきて」と突然言われたら、「B社との打ち合わせの準備があって、今は行けませんが、来週の水曜日なら行けます」と返します。実際には断ってはいるけれど、こちらの代替案でどうですかと提案をしているわけです。そうしたら上司が「それなら行かなくていい」とか「来週でもいいから行って」というふうに言うでしょう。重要なのは自分ではなく、上司にジャッジさせること。無茶ぶりされても、すぐにイエスかノーで答えないということです。
手柄を横取りし、責任を押しつけてくる人への2つの対応
何があっても責任をとらない人がいます。こういう人は、そもそも思考法が他罰的。常に自分は悪くなくて相手が悪いと考えています。プライドが高く、自分のミスを認めることができません。ですからミスをしたときの責任は負わないけれど、自分がうまくいったときは責任を負う。結局、自分の都合が全てなのです。
うまくいけば手柄をとられ、うまくいかなければ責任を押しつけられる。この最悪な事態は避けたいところです。
こういう人と仕事をするときは、“責任の所在”を明らかにしておきましょう。その方法は2つ。
ひとつは何らかの指示を受けて、それがもし違うなと思ったら、自分の意見をはっきりと伝えること。それでも相手が、その意見を汲まずに進めてうまくいかなければ、こちらは意見をきちんと伝えたことを主張できて、上司に責任が発生します。こういうケースは、なるべく他の人も巻き込んで、チームで連携をとりながらできるとよいですね。
もうひとつは、あえて指示待ち人間でいること。指示を受けてから動くことで「言われたとおりにやりました」というスタンスをとり、うまく責任だけを押しつけられないようにします。あえて指示待ち人間になることは、こうした面倒くさい人にはアリなのです。
以上、4つのタイプの面倒くさい人の共通点は、自己愛が強くて他罰的、そして想像力がないことでしょうか。その背景には承認欲求の満たされなさがあるのかもしれません。面倒くさい人に出会ったら、とにかくできるだけ接する時間を短くすること。じょうずに距離をとってつき合うことが、何よりも大切なことです。
同時に、うっかり自分も面倒くさい人にならないように、日々注意したいものです。
構成=池田純子
産業医・精神科医・健診医として活動中。産業医としては毎月30社以上を訪問し、精神科医としては外来でうつ病をはじめとする精神疾患の治療にあたっている。ブログやTwitterでも積極的に情報発信している。「プレジデントオンライン」で連載中。