軍用車両でホテル直行、14日間ホテルの部屋に缶詰め

まずは日本から居住地であるオーストラリアのブリスベンに単身戻った柳沢大河さんの話です。

オーストラリアでは現在、すべての入国者が14日間、政府指定のホテルでの隔離(自宅などは不可)を義務付けられています。その費用は州によって多少異なりますが、彼が到着したクイーンズランド州の場合、一人2800豪ドル(約22万4000円)、同室に大人2人と子ども2人の家族が滞在する際は4620豪ドル(約36万9000円)。いずれも3食付きの値段です。

彼がブリスベン国際空港に到着したのは2020年11月中旬のある日のこと。「飛行機と空港の建物を結ぶボーディングブリッジを渡りきると、制服を着た空港のスタッフが現れ、そこで初めて自分が泊まるホテルの名前が書かれた紙を渡されます。それによると、ブリスベン国際空港からなんと車で1時間離れたゴールドコーストにあるホテルでした」

そのホテルまでの「送迎」もしっかりついていたそう。

「ボーディングブリッジを出てから税関に行くまでも約10メートルおきに軍人または警察官が配置され、ただならぬ緊張感に包まれていました。税関から出たところにも軍人や警察官が待っています」

そして軍が運用する3台の大型バスに分乗したそうです。

部屋に入るまで監視されている

「ホテルに到着してチェックインが済んだあと、部屋に向かうエレベーターでもまず軍人が乗りこんで階数ボタンを押します。その軍人が降りるのと入れ替わりで私が乗りこんだのですが、その際、エレベーターの真ん中に乗り、壁などは一切に触れないようにと指示されました。予定していた階に到着してドアが開くと、別の軍人が待っていて、部屋を案内されました」

つまり空港に到着してからホテルの部屋に確実に入るまで、常に誰かに監視されていたことになります。