年間数百本のイベントを企画・運営するクロネコキューブの岡田充弘さん。3人の担当者だけで、残業ゼロで、これだけのアウトプットを出し続ける秘密は、同社の磨き抜かれたデジタルテクにありました。社員が習得した膨大なテクニックの中でも、使用頻度が高いワードの便利機能について紹介します——。
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業務のムダを省いて本質に集中する

つい先日、人から「岡田さんはなぜデジタルテクを極めるようになったのですか?」と聞かれて即答できないということがありました。極めるようになったきっかけが思い出せず、気がついたら習慣になっていた、というのが正直なところです。そこで、あらためてその動機の原点について深く考えてみると、「単純に面白い」「かっこいい」「気持ちがいい」、この3つのキーワードがおぼろげながら見えてきました。

これらの動機は、業務のムダとりについても同じだと考えています。上司が言っているから、会社が求めるから、といったネガティブな動機ではなく、自分がより自分らしく仕事をするため、といったポジティブな動機で、ムダとりを推奨したいと思います。

そもそも、ちょっと工夫すれば取れてしまうムダに、あなたが人生や全人格をかけるほどの価値はありません。逆に言えば、ムダをとることで、より自分自身やその仕事の本質に迫ることができるのだと思います。

コロナ禍は手元技術の成長機会

デジタルテクは、ムダとりを最も分かりやすく具現化する技術と考えていいでしょう。デジタルを極めると、学歴や生まれなど、あらゆるハンディを越えて、素晴らしいキャリアを形成することができるようになります。実際の私がそうだったように。

コロナ禍でこれだけ「リモート」や「デジタル」という言葉がとりあげられるようになると、おのずと口頭よりも手元を通じたコミュニケーションの機会が増えてきていることは想像に難くないでしょう。

私はこの流れは、コロナ禍が収まった後も残る部分が大きいと予想しています。であれば、この状況を「手元技術の成長機会」としてとらえ、今のうちにリテラシーを底上げしておくのが得策だと言えないでしょうか。

今回はコロナ禍の外出自粛で再び利用機会が増えてきていると思われるパソコンの基本技、特にエクセルやパワーポイントと比べて少々“クセのあるソフト”として知られるワードの便利機能について解説していきたいと思います。