今こそ身につけたい「非協調性」
「嫌い」と言いにくい理由として、協調性がないと思われるという懸念があるかもしれません。
逆に、「嫌い」をはっきりと言わない人は協調性があるとして、「褒められる」という社会的報酬が与えられたり、日本の組織では、扱いやすい人、人柄がいい人として、好まれる傾向があると思います。そこには、「嫌い」を言わず、黙々と頑張る人が優秀であるという、根付いた価値観があると思います。
しかし、時代とともに、「優秀者」の定義も変わってくるでしょう。
これからは多様性や、変化に対応することが求められる時代です。これからの社会では、「言われたことを、黙々とやる」だけでなく、別のプラスの能力が必要になってくるでしょう。
その一つは、「嫌い」を大事にする能力ではないかと思います。いうなれば「非協調性」でしょうか。
ただ周囲に同調するのではなく、自分ならではの考え、判断をもつ。
「嫌い」と言いづらい、みんなに合わせるべきという同調圧力がある中で、どう自分を生かしていくか、どのように自分の人生を構築していくのか、自分で考え、選択する力も身につける必要があると思うのです。
オリジナリティを打ち出す第一歩
そもそも日本では協調性が求められますが、欧米では、オリジナリティが重要視されます。非協調性というと、何が何でも反対するようなイメージがありますが、オリジナリティ、新機軸を打ち出すための最初の一歩と考えてみてはどうでしょう。
スキルとしての非協調性。同調、協調から始めるのではなく、試みとして非協調から始めてみるわけです。
同調と自己犠牲によって、和を保とうすることは、自分を大切にすることにはなりません。