世界を見渡せば、生まれた国や育った環境の違いだけで弱い立場に立たざるをえない人たちが大勢います。問題解決に挑む団体や、私たちができることをまとめました。(前編/全2回)
赤い心を持つアジアの女性、健康保険、寄付チャリティーコンセプト
写真=iStock.com/ThitareeSarmkasat
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国内のホームレスの人たちの再スタートを応援

Homedoor
特定非営利活動法人(認定NPO法人)
川口加奈さん

大阪市でホームレスの人をはじめとする生活困窮者への支援を行うHomedoor。2010年に19歳という若さで同NPOを設立した川口加奈さんがその存在を意識したのは、中学への通学路だった。最初は多くの大人たちと同じ冷ややかな視線で眺めていたが、「気になって、近くで行っていた炊き出しのボランティアに参加しました。そうしたら、おっちゃんたちの中には家庭が困窮して中卒や高校中退で日雇い労働を続け、貧しさから抜け出せないままの人も多かった。私はたまたま中学受験させてもらえる環境にあっただけ。日本なのに、頑張れば将来の道が切り開ける人ばかりではないと気づかされました」。

時を同じくして、中学生によるホームレス襲撃事件が起きたことで、川口さんはホームレス問題と真剣に向き合うようになる。知識を深め、ボランティアに参加し、学校で路上生活者への偏見をなくす活動を起こし、大学在学中に法人を設立した。