コロナ禍によるリモートワークの導入で、働き方がガラッと変わった人も多いはず。そこで、9人の女性リーダーたちのタイムマネジメント(時間管理)がどのように変わったのか、通常ワーク、リモートワーク、オフの日のスケジュールを基に語ってもらいました。

24時間仕事をしながら遊んでいる感覚。仕事とプライベートの垣根をつくらない

「快適な外」であれば生活が楽しく仕事もはかどる

30代まではがむしゃらに働いていましたが、40歳をこえたあたりから考え方が変わりました。おいしいものを食べ、居心地のいい部屋に住んで、いい映画を見て本を読むための時間を確保する。どんなに忙しくても理想の生活を諦めず、社会的に意義のある仕事をしていきたいと思うようになりました。遊んでいるときも仕事をしているときも、すべての時間が混ざり合うことで、よいデザインができるのではないかと――。

サポーズ デザインオフィス CEO 吉田 愛さん
吉田愛さん

現在は鎌倉の古民家をリノベーションして住み、リモートワークの拠点としています。ウッドデッキのテラスで、オンラインミーティング、原稿執筆、SNSでの発信、食事もしています。会議の合間の5分でご飯をセットしたり、草木の手入れをしたりと、隙間時間に充実した家事ができるのがリモートワークのメリット。またミーティングは時間内できっちり終わらせます。話し合いがダラダラしないように、相手がイエスかノーで答えられるような質問や資料作りも重要です。

オフィスワークの生産性の向上も大切なテーマ。数年前には東京にオフィスと食堂が一体となった「社食堂」を作りました。あわただしく仕事をするスタッフとの会話も大事にできるし、おいしい“食”を分かち合うことで、想像力やチーム力を高められ、時間も効率的に使えて一挙両得です(笑)。

いつも数多くの案件を抱えているので、“じっくりと考える”時間が奪われがち。そこで重要なプレゼンの数日前に「仮締め切り」を決めてほぼ完成形にして、残りの時間で精査。いったん締め切って、客観的な視点で見直しをする方法をとっています。基本的に建築業はお客さまからの要望ありきの“クライアントワーク”が中心です。今後は自ら発信する“オウンワーク”も多く手掛けていきたい。そのための時間づくりがこれからの課題です。

吉田愛さんのタイムマネジメントの極意
吉田 愛(よしだ・あい)
サポーズ デザインオフィスCEO
1974年生まれ。穴吹デザイン専門学校卒業。広島と東京にサポーズデザインオフィスを谷尻誠氏と共同主宰。hotel koé tokyo、猿田彦珈琲下北沢店などを手掛ける。