歯の土台ケアの2本柱は「しっかり噛むこと」と「プラークコントロール」

歯の土台を守るセルフケアの方法を宝田先生に教えていただいた。基本は、毎日の食事でしっかり噛むことと、丁寧なオーラルケアだ。

【毎日の食事編】しっかり噛む食事法

歯を支える歯槽骨は、肌と同じように新陳代謝を繰り返している。加齢により歯槽骨の新陳代謝は衰えていくが、毎日の食事でしっかりと噛むことで、歯槽骨を形成する骨芽細胞の活性化が期待できる。

ポイント→固めに炊いた白米や玄米1口分を口に入れ、背筋をピンと伸ばしてできるだけゆっくり30回程度すりつぶすようにして噛んで食べる。一度箸を置くくらい時間をかけるのがコツ。

【オーラルケア編】しつこいくらい丁寧な歯磨きで汚れを落とす

歯周病菌による炎症によって生じる酸化ストレスは、歯の土台を弱らせる要因となる。歯周病菌の繁殖を予防するプラークコントロールは歯の土台ケアにも有効だ。

ポイント→歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先を斜めにあて、軽い力で小刻みに動かして1~2本ずつ磨く。歯ブラシが動かしやすいよう、口を少しだけ閉じること、汚れがひどい箇所は時間をかけて丁寧に磨くこと、舌で触れて確かめてツルツルになっていなければ磨き治すことが大切。また、歯ぐきと唇の折り返し部分と、歯と歯の間の歯肉を、中心に向かって指でなぞるようにしてマッサージすることも効果的(図表4)。

歯ぐきマッサージ
提供=宝田恭子先生

これらのセルフケアに加え、定期的に歯科医院を受診して、歯石を除去してもらうことも大切だという。

50代になってから慌てないよう、若い頃から歯と歯ぐきだけでなく、それを支える歯の土台ごとケアする意識を持って、今ある歯を守っていきたいものだ。

中島 夕子(なかじま・ゆうこ)
フリーライター&エディター

ヘルス&ビューティ系の記事を中心に、Web、雑誌、単行本などの執筆を手掛ける。