Topic3 2つの世界大戦×感染症・恐慌

戦場にならなかった米国で起きた感染症と世界恐慌

世界を巻き込んだ2つの大戦にも、感染症やバブル経済は大きな影響を与えています。

第1次世界大戦末期、1918年に流行したのが「スペインかぜ」と呼ばれるインフルエンザです。流行の発端は、スペインではなく米国の軍事施設でした。ヨーロッパの戦場に送り込まれた米国兵が感染源となり、中立国スペインで流行が報道されました。戦地の不衛生な環境と軍隊の過密により爆発的に流行。戦争で疲弊していた各国にとって戦争終結への後押しにもなりました。

米国の失業率

第1次世界大戦の戦場とならなかった米国は戦争バブルにわきます。一般家庭に冷蔵庫、洗濯機、掃除機が普及し、市民は投資に熱中。靴磨きの少年すら、株価を話題にするほどでした。

しかし、ヨーロッパの戦後復興が進むと、米国企業の収益も悪化。バブルがはじけ、29年に世界恐慌が訪れます。米国の失業率は25%となり、深刻な経済不況は世界を2度目の大戦へと導きました。約10年後、ヨーロッパでは不況に苦しむ人々を救うことを唱えて、ドイツのヒトラーが歴史の表舞台へと登場。ファシズムの台頭を迎えたことで、世界は第2次世界大戦へとつき進んでいきました。

Topic4 グローバル化とバブル経済

世界経済が密接につながりバブル崩壊の影響も拡大

1980年代以降、世界はいくつものバブル経済と崩壊を経験してきました。

85年の「プラザ合意」では日本の不動産バブルが大きく膨らみました。87年に米国で起きた「ブラックマンデー」による世界的な経済危機でも日本はいち早く立ち直り、世界にジャパンマネーをばらまきます。

90年代になって日本のバブルは崩壊しますが、米国ではITバブルが到来。多くのインターネット関連企業の株が高値をつけました。この時期に創業し、ITバブル後も生き残ったのが、現在、GAFAの一角をなすAmazonとGoogleです。

2000年代は米国一強時代を迎えますが、その米国で住宅バブルが崩壊。08年、深刻な世界金融危機「リーマンショック」が生じ、世界連鎖的な大型倒産が続きました。

暴落危機発生後の日経平均の比較

このように経済のグローバル化が進むことで、バブル崩壊の影響や規模も拡大。リーマンショックにより中国経済は存在感を強め、世界は米中二極体制の時代へ。現在の新型コロナショックが、今後の世界経済にどのような影響を与えて、誰が生き残っていくのかも注目です。