長い歴史の中で、繰り返されてきた人類の危機。感染症やバブル経済の崩壊などから、いかに世界は立ち直り、新たな時代を築いてきたのか。世界史からコロナ後の戦略を学ぶ。

“歴史が教えてくれる事実。危機こそが、新たなチャンスの扉につながっている”

新型コロナウイルス感染症は現代社会に大きな衝撃を与え、現在もまだその影響が続いています。しかし、有史以来、人類はさまざまな危機と闘い、それを乗り越えてきました。

2019年、2020年、2021年のシンプルなクリーンパフォーマンスライングラフデザインで、赤いコロナウイルス細胞をクローズアップし、アイコンを使用
※写真はイメージです(写真=iStock.com/matejmo)

感染症とバブル経済崩壊という2つの危機の共通点を考えてみると、そこには「パニック」という言葉が浮かんできます。

「パニック」という言葉は、ギリシャ神話に登場するヤギの姿に似た牧神「パン」に由来します。パンのおたけびに、おとなしい羊たちが驚き、集団で走り出すことから、パニックという言葉が生まれました。

人々が次々と病に倒れ死んでいく感染症。投資という熱に浮かされ、バブルが崩壊すると大勢が破産し企業が倒産するバブル経済。こういった暴力的ともいえる社会的現象は、まさに集団パニックを引き起こします。人々はなすすべもなく逃げ惑うしかなくなってしまうのです。

今日、牧神の役割をしているのは、いたずらに恐怖心をあおるマスメディアといえます。