誰も住まなくなった実家をどうすればいいか悩む人が増えている一方で、都市部から地方への移住を希望する人は5年で4倍に増えている。地方や郊外の空き家を資産に変える最新情報を一挙紹介。
空き家をリフォームして活用
イラスト=市村 譲、以下すべて同じ

空き家の半数以上が、相続・贈与で取得した家

親が亡くなった後の実家をどうすればいいか――。そんな悩みを抱えている人は多いだろう。

「たとえば、都市部で生活している子ども世代は、すでにマイホームを取得しているケースが多く、親の家を相続しても移り住むことはできません。かといって、実家を処分する決心もつかず、問題を先送りして空き家として放置しているケースがよくあります」

こう話すのは、明治大学教授で空き家研究の第一人者である野澤千絵さん。総務省統計局が5年ごとに調査している「住宅・土地統計調査」によると、2018年のデータでは全国の空き家は846万戸で空き家率は13.6%と過去最高を記録。また、貸家用・売却用・別荘等以外の用途の世帯所有の空き家の半数以上は相続・贈与で取得した家であることもわかった。今後は世帯数の減少も予測されており、空き家がさらに増加する可能性がある。相続の際に、きょうだい間で実家を押し付けあうトラブルも起きそうだ。