仕事と家事、子育てを同時にこなす女性は多く、家事一切を専業主婦の妻に委ねる男性社員のように、「プライベートを優先しない」などは到底難しい。Q5のように、企業人としての出世に必要な努力項目は理解していても、企業内には、いまだに性差別が横行する歯がゆさ・理不尽さを感じる女性管理職も多い。

あなたの会社で、出世する際に必要なものは?

いまだにある「タバコ部屋」。涙ぐましい努力に同情も

男性優遇は日本企業の悪しき風習でもあるが(Q6)、出世した男性たちが繰り広げた驚くべき社内政治についても報告があった(Q8、9)。よく知られる「タバコ部屋」は、男性にとってのパラダイス。喫煙者が減った今は「居酒屋」に場所を変えているよう。また、女性が出世しないように評価を操作したり、女性が就けない職種経験者のみが出世するシステムを構築したりとやりたい放題の会社も。「社長のカバン持ちに徹する」などの涙ぐましい努力を続ける男性の姿には、サラリーマン社会の悲哀を感じるという声もある。

出世の際、男性が優遇されたと感じたことはある?

同性に好かれる・嫌われる社内政治の方法とは

回答者の多くが「出世を考えれば時には社内政治も必要」と感じているのは前述のとおり(Q3)だが、出世した「女性管理職で社内政治に長たけている人」はいないとの回答は約3割(Q10)に及ぶ。同性から一目置かれる女性管理職が行う「社内政治的なこと」の共通点は、「社内外の有力者との関係が密」「上司・他部署とのコミュニケーションが円滑」など、管理職に必要な力であることがわかる。さらに「気配り上手」「上司の誕生日を覚えている」など、女性ならではの心遣いに長けている人も多いよう。

 周囲の女性管理職で「社内政治」に長けている人はいる?

また、「感情に支配されず、常に冷静」「自信にあふれている」「他人の悪口を言わない」など、仕事の姿勢への評価も高い。ただし、同性の目は厳しく、出世した女性への辛辣しんらつな意見も多い。「枕営業」「色仕かけ」など、“女の武器”を使って役職を手に入れたなど激しい言葉が目立つ。

自分にも使えると思った社内政治では(Q11)、さまざまな意見が挙がりおもしろい。学閥勢力が幅を利かす会社であれば社内の「大学別OB会」へ積極的に参加してみたり、先輩を見習い「男性を立てるフリをする」など、男性が繰り広げる“社内政治への対抗策”は確実に増えている。

これまで見聞きした「社内政治」で、自分にも使えると思うことは?
戌亥 真美(いぬい・まみ)
プレジデントウーマン編集部