社内政治以前の性差による暗黙のルールも
「社内政治」と聞くと、ある種の嫌悪感を抱く人も多いだろう。しかし、国内外を問わず、大小どんな企業にもはびこっているのが「社内政治」。意外な出世を果たした人を端から見れば、少なからず「やっぱりね」と思える節があるはず。働く女性読者1000人から寄せられた回答には、どこの企業にもある社内政治の実態が赤裸々につづられていた。
まず出世する人の共通点(Q1)は、「上司・経営陣に気に入られている」ことが前提条件であり、さらに「高学歴・プロパー社員」であることも重要ポイントだと回答する人多数。8割超の女性が「出世するうえで社内政治は必要」(Q3)と答えるものの、社内政治以前の「暗黙のルール」(Q4)に、「男性であること」「社歴が長いこと」など、女性、中途入社組にはそもそも不利なルールが存在する会社も。
仕事と家事、子育てを同時にこなす女性は多く、家事一切を専業主婦の妻に委ねる男性社員のように、「プライベートを優先しない」などは到底難しい。Q5のように、企業人としての出世に必要な努力項目は理解していても、企業内には、いまだに性差別が横行する歯がゆさ・理不尽さを感じる女性管理職も多い。
いまだにある「タバコ部屋」。涙ぐましい努力に同情も
男性優遇は日本企業の悪しき風習でもあるが(Q6)、出世した男性たちが繰り広げた驚くべき社内政治についても報告があった(Q8、9)。よく知られる「タバコ部屋」は、男性にとってのパラダイス。喫煙者が減った今は「居酒屋」に場所を変えているよう。また、女性が出世しないように評価を操作したり、女性が就けない職種経験者のみが出世するシステムを構築したりとやりたい放題の会社も。「社長のカバン持ちに徹する」などの涙ぐましい努力を続ける男性の姿には、サラリーマン社会の悲哀を感じるという声もある。
同性に好かれる・嫌われる社内政治の方法とは
回答者の多くが「出世を考えれば時には社内政治も必要」と感じているのは前述のとおり(Q3)だが、出世した「女性管理職で社内政治に長たけている人」はいないとの回答は約3割(Q10)に及ぶ。同性から一目置かれる女性管理職が行う「社内政治的なこと」の共通点は、「社内外の有力者との関係が密」「上司・他部署とのコミュニケーションが円滑」など、管理職に必要な力であることがわかる。さらに「気配り上手」「上司の誕生日を覚えている」など、女性ならではの心遣いに長けている人も多いよう。
また、「感情に支配されず、常に冷静」「自信にあふれている」「他人の悪口を言わない」など、仕事の姿勢への評価も高い。ただし、同性の目は厳しく、出世した女性への辛辣な意見も多い。「枕営業」「色仕かけ」など、“女の武器”を使って役職を手に入れたなど激しい言葉が目立つ。
自分にも使えると思った社内政治では(Q11)、さまざまな意見が挙がりおもしろい。学閥勢力が幅を利かす会社であれば社内の「大学別OB会」へ積極的に参加してみたり、先輩を見習い「男性を立てるフリをする」など、男性が繰り広げる“社内政治への対抗策”は確実に増えている。