最年長講師にもスランプがあった!「中級の壁」とは
20年以上ぶりの英語の勉強でしたが、毎日勉強しているうちに、ある程度読んで話せるようになりました。当時、おそらく英検2級、TOEIC®600点ぐらいのレベルだったと思いますが、そこからはなかなか伸びない。通訳案内士の学校では、2、3カ月に一度、模擬試験がありましたが、点数がとれなくなってしまいました。
何が原因だろうと考えたところ、英語の基礎となる「構造」に即した読み方ができていないことに思い当たりました。つまり簡単な単語なら、つなげればなんとなく内容がわかるけれど、レベルが高くなると、構造がわからなければ内容もわからない。そう気づいてから集中的に構造を分析し始めました。同時に「多読」「過去問」をこなしていくことで、再び点数が伸び始めました。
今思うと、英検2級、TOEIC®600点というのは、大きな分岐点です。ここを突破すれば、このあとぐんと伸びていけるけれど、ここで挫折する人も多い。読者の方も、この壁に悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
具体的な勉強方法については、次にご紹介します。
TOEIC®600点突破に効果的な3つの勉強方法
① 「構造」
『総合英文読解ゼミ』(山口俊治著・語学春秋社)という高校生向けの参考書を使って徹底的に分析しました。200型ある英文構造それぞれに例文と解説が載っているので、苦手なところは切り離して持ち歩き、繰り返し読んでいました。4回ぐらい読むと、難易度の高い英文も読めるようになってきます。
② 「多読」
『TIME』『Newsweek』「The Japan Times ST」(現 The Japan Times Alpha)といった雑誌や新聞のほか、好きな作家の本を何冊も読み、映画もたくさん観ました。私の場合、本については『Matilda(マチルダは小さな大天才)』(ロアルド・ダール)や『The Notebook(きみに読む物語)』(ニコラス・スパークス)が好きで、何度も読みました。『The Notebook(きみに読む物語)』は映画にもなったので、映画と本の両方を教材にしました。映画を観て本、本を読んで映画、と行き来すると理解が深まります。
映画は、①字幕なしで観る、②日本語字幕で観る、③英語字幕で観る、と3段階で観るのがおすすめ。そうすると自分のわからないところがわかり、最後には英語をチェックできます。わからないフレーズは、書き留めて調べることも大切です。
また、よいフレーズが出てきたら、それも見逃さずに書き留めておきましょう。自分で見つけたフレーズを使えるようになると上達も早くなります。ディズニー映画には、よいフレーズがたくさん出てきますよ。
本はネイティブのスピードで読んでいくことも大事ですので、ネイティブ音声が聞けるオーディオブックを活用するとよいでしょう。Amazonオーディオブック「Audible(オーディブル)」は、速読を身に付けるのに最適。合わせて音読やシャドーイングなど口に出す練習もしましょう。
③ 「過去問」
英検1級も通訳案内士も、スピードが要求されるので、過去問で徹底的にトレーニングしました。時間内に解けるようになるには、過去問に当たるのは必須です。