管理型リーダーシップからの脱却

この結果から、合理的に仕事を分配し、成果を上げるといった従来型(管理型)のリーダーシップよりも、メンバーそれぞれの良さや強みを生かしながら、育んでいくタイプのリーダーシップが、メンバーの幸せに大きく寄与することがわかります。

とくに、今の社会は新型コロナウイルスの蔓延により、VUCAが大きく増大しました。このような時代に求められるのは、仕事をうまく分配するとか、目の前の問題解決だけに注力するような管理型リーダーシップではありません。目先の利益を上げることのみならず、メンバーそれぞれの強み、良さを活かすところにフォーカスをし、すべての人に成長機会を与えられるようなリーダーシップです。

チームを幸せにできるリーダーのマネジメントスタイル

従来、「社員の幸せ」を考慮していなくても、効率的に仕事を分配するマネジメントが、合理的で生産性が高く、良しとされてきました。ところが、そのようなマネジメントスタイルですと、まだ育ちきっていないメンバーには、やりがいを感じられない仕事がまわりがちであるため、成長機会が奪われてしまうという悪循環が起こります。

人は成長することで「幸せ」を実感しやすくなりますから、リーダーの役目とは、メンバー一人ひとりの強みを見つけ、伸ばしてあげること。メンバーの強みや特性を活かせそうな、チャレンジングな仕事を分配することです。

そうすることで、メンバー自身も成長を感じられ、やりがいを持って業務に取り組むことができます。つまり、チームを幸せにできるリーダーとは、人をうまく育てられるリーダーなのです。

なかには、自分にはできないと思われる方もいらっしゃるでしょう。まずはしっかり考え、自分自身の目標を掲げること、部分ではなく大きな視点で捉えることが大切です。例えば、課長であれば部長の視野で考え、部長ならばその上。本来ならば、全社員が社長のように考えられたら最高なのですが。これらを意識しつつ、メンバーを信頼し、変化を恐れず、多様性を受け入れ、コミュニケーションを大事にして学び、成長すれば、あなた自身が自ずとそのようなリーダーへと変わっていくでしょう。