コロナショックで資産を3000万円失っても動じない
12年後半、9000円前後で推移していた日経平均株価は、アベノミクスの波に乗り上昇。コロナショック前には2万4000円程度になっていた。7年間で約2.6倍になった計算だ。米国株はさらにすごい。09年3月に約6500ドルまで下がったNYダウは、コロナショック直前に2万8000ドルまで、約4.3倍に上昇している。日本株や米国株に連動する投資信託を保有していただけでも資産を大きく増やせたはずだ。
ところが、コロナショックで株価は一気に下落した。日経平均株価は約31%、NYダウは約37%下落している。
1億円の資産をすべて株式で保有していたとすれば、1カ月強で3000万円以上を失ったことになる。落ち着いてはいられなかったはずだ。
「ただ、私の周りのお金持ちで、慌てて売った人はいませんから、いまはだいぶ戻してほっとしているのではないでしょうか」
急落には驚いたものの、株価は「戻るはずだ」と判断しているということだ。コロナ対策として各国が大規模な経済対策を打ち出した。金融緩和も長引くことが予想されるから、株式市場に資金が流れ込むとも予測できる。
本物のお金持ちは人とは逆の行動をとる
二つ目のタイプは資産1億円を築いてから長い時間を経て、投資経験も豊富な人たち。景気サイクルを何度も経験しているので、10年に一度程度はショックが訪れることを知っている。
19年末時点でリーマンショックから10年以上が経過していたので、下落に備えて資産を現金化していた人も多いという。
「そうしたお金持ちからは、“これから何を買えばいいか”との相談がきました」と藤川さん。
真のお金持ちは先行きを予測して、人とは逆の行動をとることが少なくない。だからこそ、お金を増やし続けることができるのだ。