介護をマネジメントする「司令塔」になる

もし、認知症が進んだり、身体の自由が利かなくなって介護度が進んだとしても、自分が介護をするのではなく、司令塔になって介護をすすめていくことを考えましょう。直接の介護はプロに任せて、司令塔として情報を集め、親や介護の関係者とコミュニケーションを取り、介護を「マネジメント」することに集中するのです。

「マネジメント」という言葉は、ビジネスパーソンにとっては、なじみのあるもののはず。もし夫が、親の介護に関わることに消極的だった場合も、「マネジメントならあなたにもできるのでは」と説明すれば、理解してもらいやすいと思います。

仕事のマネジメント同様、介護のマネジメントでも、予算の管理が重要になります。

介護サービスを使うときは予算ありきですから、親がどれぐらいお金を持っているのか、介護にどれぐらい使えるのか、早めに把握しておく必要があるでしょう。義父母とお金の話はしにくいという人も多いでしょうから、その場合は実子が担当する方がよいかもしれませんね。

最初は在宅でサービスを受けながら生活していても、介護度が上がっていくと、介護施設への入居が選択肢に入ってくるかもしれません。するとますます、予算によって選択肢が変わってくるので、やはり早い段階で確認しておくことをお勧めします。

今のうちにやっておくべき3つの対策

これまでならば、何かあれば顔を見に行けばよかったかもしれませんが、withコロナ時代はそうもいきません。親と離れて住んでいる場合に、今のうちからやっておくべき対策は次の通りです。

対策1:地域包括センターに相談しておく

親が住む地域の地域包括センターに「親が一人暮らしをしていて心配だが、現時点で何か利用できるサービスはないか?」と連絡してみましょう。もちろん、直接足を運んで相談できるとよいですが、難しい場合は電話の相談でも十分です。緊急通報システムや安否確認、家事支援などのサービスが利用できないか、その自治体ではほかにどんなサービスがあるのか、調べておくと安心です(図表1)。

「最近足腰が弱っている」「物忘れが気になる」など、心配ごとがあれば、それもあわせて伝えておくとよいでしょう。場合によっては様子を見に行ってもらえるかもしれません。

さまざまな安否確認サービスの例