【悩み3】うまくまとめることができない

みんな活発に意見を出してくれるのは有難いのですが、どうまとめてよいか分からず、発散だけで終わることが多くなります。議論をうまくまとめるには、どうしたらよいでしょうか。よい方法があったら教えてください。

【解決策1】見える化してまとめるしかない

まとめが苦手な人は見える化を徹底するしかありません。使うツールは何でもよく、リアルな手書きを映すのでも、オンラインのツールを使うのでも、やりやすいものを選ぶようにしましょう。

堀 公俊『オンライン会議の教科書』(朝日新聞出版)
堀 公俊『オンライン会議の教科書』(朝日新聞出版)

見える化をしたくても、「意見をどう書いてよいかポイントが分からない」という人がいます。議論をまとめる前に、発言がまとめられないというわけです。

できないなら、発言者本人にまとめてもらいましょう。「今の発言を一言でまとめると?」「ここにどう書いたらよいでしょうか?」と尋ねてみるのです。

本人が答えられなくても、「◯◯さんの発言のポイントが分かる人は?」「どうまとめたら分かりやすいですか?」と尋ねれば、誰かが答えてくれるはずです。それをそのまま書けばすむ話です。

あるいは、最初から「自分で共有ファイルに書いてください」とするのも手です。これなら、発言の要約をせずにすみ、整理するほうに注力できます。

あとは、似たようなものをグループにして、まとめの言葉をつけていきます。その上で、「どれが重要か?」の優先順位を議論すれば、自ずとまとまっていきます。

ここも難しければ、メンバーに助けてもらうとよいでしょう。一人くらいこの手の作業ができる人がいるはずです。

【解決策2】メンバーの力を積極的に活用する

このように見ていくと、必ずしもファシリテーターがまとめる必要はないことに気づきます。だったら、最初から「誰かまとめが得意な人はいませんか?」と丸投げするのもひとつの方法です。「餅は餅屋」と言いますから。

ファシリテーター(進行役)は会議に一人いれば十分です。複数いると誰が舵を握っているか分からなくなります。

ところが、ファシリテーション(促進)は、みんなでやれば話し合いはより円滑に進みます。それぞれの得意なスキルを持ち寄って。

そういう意味では、みんなのファシリテーション能力を引き出すのも、よいファシリテーターの条件かもしれません。何でもかんでも一人で背負いこまず、メンバーを信頼して手放すことも大切です。

写真=iStock.com

堀 公俊(ほり・きみとし)
堀公俊事務所代表/組織コンサルタント

神戸市生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。大手精密機器メーカーにて商品開発や経営企画に従事。2003年「日本ファシリテーション協会」を設立。関西大学、法政大学、近畿大学で非常勤講師を務める。現在、堀公俊事務所代表、組織コンサルタント、日本ファシリテーション協会フェロー。