リーマンショックとコロナ禍の大きな違い

2008年のリーマンショックの際は、どの業界も大打撃を受け、多くの企業が一斉に人材採用をストップしました。しかし、リーマンショックと今回のコロナ禍とは少し違います。コロナが追い風になっている、コロナを追い風にしようとする業種や企業も数多く見られます。特にデジタル化をキーワードとした変革を本格化する動きは強く、そういった企業は非常に採用に前向き。エージェントなどを使って費用をかけてでも、自分たちの事業を変革できるような人を採りたいと考えています。

私はいつも正社員の採用ニーズは、主に以下の3つに分類できると考えています。

1. 既存の業務を、ルールを順守し、遂行する人材
2. 既存の経験値の中で、創意工夫により、生産性を高める人材
3. 変革を起こす人材

企業が「どうしても欲しい」中途社員のタイプ

コロナ禍においても積極採用を継続している企業も多いとお話しました。しかし、残念ながら誰もが転職しやすいわけではありません。実はコロナ禍によって、企業が「どうしても欲しい」という人材がはっきりした形になりました。というのも、3の「新しい変革を起こせる人材」に対するニーズは非常に活況で、コロナ前と全く変わりがない、むしろ、採用の勢いは加速していると言っていいと思います。

一方で2の「既存の経験値の中で、創意工夫により、生産性を高める人材」への需要は以前に比べると減り、1の「既存の業務を、ルールを順守し、遂行する人材」に至っては相当少なくなっています。もちろん、現場でオペレーションしてくれる人は大事だし、経験や知見を活かし創意工夫しながら頑張ってくれる人も重要。しかし、今は1と2に関してはすでに会社の中にいる人材でなんとかして、3の人を全力で獲得しにいくという流れになっているように感じます。つまり、「変革を起こせる人材」に需要が集中しているのです。