グローバルな女性の気品ある振る舞い10カ条
1. 1回1動作
落ちている物を拾う場合は「近づく」「しゃがむ」「拾う」「立ち上がる」。それぞれの動作をていねいに行う。すると精神が安定し、周囲にもその状態が伝わる。また「いつどこで何をしたか」に対して意識的になり、トラブルを未然に防ぐことができる。決して“ながら動作”はしないこと。
2. ゆったりと落ち着いて
「ゆったりと、はっきりと、ていねいに」は紳士淑女の会話の基本。スピーチも同様で、大勢の人々に1度に同じ内容を伝えるためには、滑舌を含めてこの手法が重要になる。また女性リーダーとしてチームを束ねる際にもこの心構えが有効。実践し続けることで自然に風格が備わる。
3. 下半身はしっかりと、上半身はふんわりと
大切なのは姿勢を正すこと。するとこのリラックスした状態が得られる。見た目が美しいことで周囲から信頼も得られ、脳に酸素が行き渡るので思考もさえるという最良の状態に。古今問わず、人間の潜在能力を引き出すのが「立腰」。リーダーたるもの、日々腰を立てることを意識して。
4. 首を曲げない、ヒジをつかない
貴族の教養で、一流のレストランでメニューを見るときなど、首や背中を曲げたり、ヒジをついたりするのは下品とされる。現代人はスマートフォンを見る姿勢に要注意。背筋を伸ばし、優雅な動作を心がけたい。
5. 髪は触らない、鼻はすすらない
海外のゲストからすると、髪や顔を触る行為は不潔であり、特に鼻をすする音は気持ち悪いと受け取られる。無意識に行ってしまうことが多いが、グローバルなシーンにおいては、意識して避けるべき行為である。
6. 拍手は評価
拍手とは“評価”であり、位の高い人(高位者)に拍手をしてはいけない。ゆえに、天皇が記者会見を行った場合、意見を述べたあとに拍手をすることはないし、するのはNG。これは知識として知っておきたい。
7. 高位者の前で足は組まない
上記6の拍手と一緒で、高位者の前で許可なく足を組むのは禁じられている。高位者が先に足を組んだ場合は「このあとはリラックスしてOK」という合図になることも。
8. 口に手は当てない
日本人がやってしまいがちなのが、口に手を当てる動作。言葉が聞き取りにくいだけでなく、外国人には「何かやましいことがある」と受け取られ、不信感を与えてしまう要因に。何より「コミュニケーションの意思がない」と判断されるので、ビジネスシーンでは絶対に避けること。
9. アイコンタクトを忘れずに
目は心の窓。アイコンタクトは挨拶から最後のお礼まで基本中の基本。目をそらすと「嫌われているのでは」というマイナスの感情を抱かせてしまうので注意。目を左右にそらすと注意力散漫という印象を与えてしまうので、見つめるのが苦手な人は、一瞬だけ下にそらすのがコツ。
10. 正しいマナーでエスコートする
プロトコールにのっとった正しいマナーでエスコートすることは、上位者への敬意表現。案内をするときは、「プロトコール5原則」に「右上位」とあるとおり、上位者に右側を譲り、2、3歩前を歩きながら、エスコートするのが美しい。
構成=本庄真穂 写真=AFP/アフロ、西村尚己/アフロスポーツ
校長を務める「ノブレス・オブリージュアカデミー」にはさらなる研さんを積むため、全国からマナー講師が訪れる。「JOC国際人養成アカデミー」などのプロトコール講師も務める。