テレワークや時差出勤など、フレキシブルな働き方が浸透してきた。しかしそれによって大幅に収入が減ってしまうことにもなりかねないという。自由な働き方をすることで、失う意外なお金とは――。
若いアジアの女の子
※写真はイメージです(写真=iStock.com/metamorworks)

働き方の3大変化

コロナショックで雇用環境が確実に悪化している。2008年のリーマンショック時は製造業を中心に非正規切り、続いて正社員のリストラが間を置かずに始まり、09年後半には徐々に正常に戻り始めたが、今回は様相が異なる。

まず、観光・旅行、宿泊、飲食、小売と消費者に身近な産業の雇用に打撃を与え、今は中小製造業に波及し、さらには世界的な需要不足で大企業にも影響を与えることが確実視され、いまだ先が見えない状況にある。決定的な違いは08年の金融危機対策は各国の莫大な財政出動が処方箋になったが、今回は処方箋のワクチンの開発が不確実な中で新型コロナの感染に怯えながらの経済活動を強いられていることだ。

さらにコロナを契機にこれまでのワークスタイルを一変させる動きも起こっている。緊急事態制限下の出社制限で始まったリモートワーク(在宅勤務)をベースに、すでに以下のような新たな動きが始まっている。

①在宅勤務と出社のミックス勤務体制
②スライド勤務(時差通勤)
③オフィスのフリーアドレス化

この3つは、社員の働き方の自由度を高める施策として、コロナ発生前から一部の企業で始まっていたが、一挙に加速しつつある。日立製作所は緊急事態宣言解除後も7月まで出社率3割を継続し、来年4月以降は5割の出社率にとどめることを表明している。富士通、キリンホールディングスも同様にテレワーク主体の勤務体制を継続することにしている。