afterコロナは女性管理職が活躍できる時代

マネジメント能力自体に性差はないですが、現状、家庭で家事・育児を主に担っているのが女性だとすれば、組織が変わっていく今、むしろ有利になると思います。というのは、リモートワークでは「この1時間でどう成果を出すのか」ということがよりシビアに求められます。それはまさに、ふだん分刻みで家事や育児と仕事を両立してきた女性がこだわってきたポイントでしょう。また、飲み会で話したことで仕事の決定が下されることもなくなり、不透明なことが少なくなるので、“飲みニケーション”に参加しづらかった女性にもチャンスがめぐってきます。

そして、女性が管理職を目指す際にも、リモートワークであれば家庭との両立というハンディが軽くなります。リモート環境からまったく新しいトライもできるはずです。これまでの会社のやり方とは関係なくフラットに仕事ができるという意味では、やりやすくなると思いますね。

これからは、たくさんのプロジェクトが立ち上がり、ひとつのプロジェクトは半年、または数カ月のスパンで完結する時代になります。社内外問わず、ジョブ型でメンバーをアサインするチームが増えていくと、管理職は、直接、顔を合わせたことのない人も含めたチームをマネジメントし、リモートワークで結果を出すことが求められます。いわゆるプロジェクト・マネジメントに長けた人が重宝されるようになるでしょうし、それが女性である場合も増えてくると思います。

経済危機にこそ有望なビジネスが生まれる可能性も

未上場のスタートアップ企業をユニコーン企業とも言いますが、世界的に見て現在、事業を大きく展開している会社は、2007年のリーマンショックの経済危機後に新規ビジネスを立ち上げたところが多い印象です。有望なユニコーン企業は日本にもいくつかあり、どんどん成長しています。きっと「withコロナ」「afterコロナ」でもビジネスの鉱脈を掘り当て、新しい事業を創出する会社が増えていくでしょう。その中でチャンスをつかむためにも、マネジメントスキルを身に着け、“ニューノーマル”の時代に乗り遅れないようにしたいですね。

構成=小田慶子 写真=iStock.com

鳥潟 幸志(とりがた・こうじ)
「グロービス学び放題」事業リーダー

埼玉大学教育学部卒業、グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了。サイバーエージェントでインターネットマーケティングのコンサルタントとして、金融・旅行・サービス業のネットマーケティングを支援。その後、デジタル・PR会社のビルコムを共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーション等、経営全般に10年間携わる。グロービスに参画後は小売・グローバルチームに所属し、コンサルタントとして国内外での研修設計支援を行う。現在は、社内のEdtech推進部門にて『グロービス学び放題』の事業リーダーを務める。グロービス経営大学院や企業研修において思考系、ベンチャー系等のプログラムの講師や、大手企業での新規事業立案を目的にしたコンサルティングセッションを講師としてファシリテーションを行う。