未払いのまま放置は厳禁。しっかり手続きを

年金は保険料支払いが120カ月に満たないと受給できないほか、保険料の支払いによって受給できる額が決まる。免除を受けた期間については、年金を受け取るために必要な受給資格期間(120カ月)には含まれ、メリットは大きい。ただし、将来受け取る老齢基礎年金は少なくなるので、収入が回復したら保険料を追納したい。免除や納付猶予を受けた期間の保険料は、10年以内であれば追納できる(3年度目以降は一定の金額が加算される)。

保険料を未払いのまま放置すると、老後に受け取る年金の額が減る、あるいは年金が受け取れない、という事態になる。それだけではない。障害を負った場合には障害年金、死亡した場合は遺族に遺族年金が支払われることがあるが、保険料未払いでは受給資格を満たさず、支給されない可能性がある。

臨時特例はコロナ禍への対応したものだが、平時でも、収入ダウンの際には保険料が免除、猶予される制度はある。もしものために、制度の存在を覚えておこう。

また最近は働き方も大きく変わってきている。タニタでは、優秀な社員には個人事業主として契約を結んで仕事をしてもらう、他社の仕事もできる、といった働き方も選ぶことができる。社員としてキャリアを重ねている人でも、社会保険料自己負担の個人事業主になる可能性がゼロではないし、起業のために一定期間フリーランスになる、といった状況もあり得る。老後のために、自身のために、国民年金保険料は絶対に支払う、支払えなければ免除などの手続きをする、をおすすめしたい。

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井戸 美枝(いど・みえ)
ファイナンシャルプランナー

経済エッセイスト。関西大学卒業。厚生労働省社会保障審議会企業年金、個人年金部会委員。『大図解 届け出だけでもらえるお金』など著書多数。