書斎スペースは台所が目に入らない場所に

場所の選び方ですが、できれば部屋の壁面に向かって机を置くとよいでしょう。壁面に向かって置けない場合は、テレビや台所が見えない向きに置くか、観葉植物や本棚などで目隠しをするのがお勧めです。

自宅で仕事をしていて一番集中力をそいでしまうのが、テレビや家事です。仕事中にふと顔を上げた時に、家族の誰かが見ているテレビが見えると、つい一緒に見てしまいますし、洗い物の食器が目に入ったりすると、どうしても気になって家事をしてしまったりしがちです。「仕事とそれ以外」というオンオフのメリハリをつけるためにも、できるだけ仕事中に「オフ」のものが目に入らないようにします。

椅子はキャスター付きじゃなくてもOK

「イームズプラスチックシェルチェア ワイヤーベース」(写真提供=ハーマンミラー)
「イームズプラスチックシェルチェア ワイヤーベース」(写真提供=ハーマンミラー)

前回ご紹介した通り、椅子選びはとても重要です。本格的なオフィスチェアは、良いものだと数十万円しますし、キャスター付きなのでかさばり、幅55~60センチくらいは取ってしまいます。キャスター付きでなくても作業しやすいものはたくさんあり、幅45~50センチ前後のコンパクトなものもあります。

また、リビングやダイニングに書斎スペースを作るのであれば、事務用のオフィスチェアを置くのは違和感があるでしょう。イームズの「シェルチェア」は、デザイン性も高く、かさばらず、ダイニングチェアにも使えます。長時間座っていても疲れにくいのでおすすめです。

Zoom会議の背景隠しにも使えるパーテーション

いくら小さな書斎スペースでも、できればスペースを区切る仕切りとなるパーテーションなどを置きましょう。大きめの観葉植物や棚を間仕切り代わりにしたり、カーテンを吊り下げることでスペースを区切ることもできます。薄手のカーテンであれば、天井に画びょうやマスキングテープでとめられますし、柱があれば突っ張り棒を使ってもいいでしょう。

布を外すと物干しにもなる、ディノス「物干しになるパーテーション 3連」(写真提供=ディノス・セシール)
布を外すと物干しにもなる、ディノス「物干しになるパーテーション 3連」(写真提供=ディノス・セシール)

壁に向かって仕事をしていても、背後に仕切りがあるだけで、集中しやすさが格段に変わります。また、Zoom会議をするときの背景隠しにもなり便利です。

パーテーションなどの仕切りは、ほかの家族に「今は集中して作業をしているところ」「会議中だから邪魔しないで」などの状況を知ってもらうためにも役立ちます。紙に書いて貼りだしてもいいかもしれません。お子さんが小さい場合は、(わが家でもそうですが)「今からお母さんは会議だから、話しかけないでね」と、伝えても、なかなか理解できなかったり、すぐに忘れてしまったりします。パーテーションが、「仕事中」というわかりやすい合図になります。

実は、オフィス用のスチールやプラスチックのパーテーションはよくあるのですが、リビングに置けるデザインのものはそれほど種類が多くありません。しかし、布製のものであれば、自分の好きな布に張り替えてもいいですし、オフィス用のものでも、手軽に貼れるシール式の壁紙の中から、好きなデザインのものを選んでアレンジすれば、リビングのインテリアに合うように変えられます。