チームワーク維持に欠かせない存在に
【大竹】チャットの使い方で慌てることが多いようです。Zoomでは、音声とは別にチャットでも声かけができるのですが、この機能は全員にメッセージが届く設定と特定のメンバーに届く設定とが都度選べます。気を付けたいことの1つは発言中の人にチャットで話しかけること。これはマナー違反です。
もう一つありがちなのは、特定の人に宛てて送ったつもりが宛先を間違えて全員に届いてしまうパターン。特定の人に送るチャットは「今日ランチ行きませんか?」といった会議に関係のないことや、「○○さんの話ちょっと止めて」など、議事進行には重要だけれども全員に伝わるとまずいやりとりが多いんです。宛先は「全員宛て」がデフォルトになっているので、きちんと個別の宛先を選んでから使うよう注意が必要です。
【芹澤】私は、学生などZoomが初めての人と話す機会も多いのですが、相手のマイクが遠かったり部屋が暗かったりすることがよくあります。マイク付きイヤホンで音声を拾っているならマイクを口に近づける、自分の顔だけ暗いと思ったら照明をつけたり、窓などの明るい方に向かうなど、少しずつ工夫していけるといいですね。
——Zoomを使いこなせるようになると、どんなメリットがあると思いますか?
【大竹】まずひとつは、移動時間がいらないので仕事の効率が上がるということ。それから、まだZoomを知らない人も多い今の時点では、少し知っている人は周りから「教えて」と言われることも多いと思います。そこで教えてあげると、相手から感謝されますしご縁も生まれます。これはビジネスにおいて大きなメリットと言えるでしょう。
【芹澤】私の経験から言えば、Zoomは「バーチャルなのにリアルより親近感が湧くツール」。互いに端末に顔を寄せて話すので、テーブルを挟んで向き合うよりも相手を近くに感じます。これは、チームワークを高める上でも大きなメリットになると思います。
当社では、まだZoomの日本語版がなかった2017年から、使い方に関するセミナーや研修を行ってきました。その頃のZoomはまだ一部の人だけが知る存在でしたが、ここ最近はコロナの感染拡大でリモートワークが進み、ビジネスに欠かせないものになりつつあります。一度使えば便利さや手軽さがよくわかると思うので、この機会に初心者の方もどんどん挑戦していただきたいですね。
【大竹】Zoomに出会ってから、私は「リアルで会う」と「バーチャルで会う」は共存するはずだと思うようになりました。今はリアルの会議室に集まるのは難しい状況ですが、バーチャルの会議室があればチームワークやコミュニティーを保つことは可能です。Zoomに注目が集まっているのも、皆がそれに気づき始めたからではないでしょうか。
今後、友達や家族、会社、地域といったコミュニティーの重要度はますます高まっていくでしょう。その時代に向けて、今からZoomに親しんでおいていただければと思います。
構成=辻村 洋子 写真=iStock.com