ふとした瞬間に気になる肌トラブルや、なんだか肌の老化が加速していると思ったことはありませんか。それは、毎日行っているそのスキンケア方法のせいかも。前回に引き続き、間違い美容法2つを皮膚科専門医が教えます。
若い女性のポートレート
※写真はイメージです(写真=iStock.com/TopPhotoImages)

間違い美容法3「吹き出物ができやすいので、保湿クリームは使いません」

吹き出物は、ほとんどの場合ニキビで、睡眠不足や不規則な食事といった生活習慣の乱れのほか、乾燥によっても引き起こされます。保湿が不十分で肌が乾燥すると、肌のバリア機能が低下。炎症が起こって、ニキビだけでなく、湿疹やシミ、ちりめんジワもできやすくなります。

また、皮脂がたくさん出ているからといって、肌がうるおっているわけではありません。肌の保水機能を担っているのは、肌の一番表面の角層にある「皮脂膜」「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質」の3つ。「皮脂膜」は肌の表面を覆って水分の蒸発を防ぎ、「天然保湿因子」は角質細胞内で水分を保持。そして「細胞間脂質」は水分を抱え込みつつ細胞同士を接着させ、水分の蒸発を防ぎますが、水分を保つ割合は「皮脂膜」が2~3%、「天然保湿因子」が17~18%、「細胞間脂質」が80%と、「皮脂膜」の貢献度がもっとも低いのです。そのため皮脂が多く、肌がテカっていても、細胞間脂質や天然保湿因子が不足していると、肌は乾燥してしまいます。

ですので、すべての肌質の人に保湿は必要。毎日のケアで保湿クリームを塗ることが、肌のうるおいを保ち、ニキビや湿疹などのトラブルを防ぐことにつながります。