個別株投資のスタートには好機

一方、これから投資を始める人、それも個別株投資を始める人にとっては、今はとても大きなチャンスです。なぜならコロナウイルスの蔓延によって大きな影響を受ける企業だけでなく、それ以外の企業も一緒に連れて大きく下がっているからです。言わばどれもこれも一緒くたに投げ売り状態になっている超バーゲンセールの真っ最中です。バーゲンセールなら熱心に出かけていって安くなっている良い物を買うのに、市場が株の大バーゲンセールをやっている時に買わない手はありません。本来はこんな時に備えて日頃から『会社四季報』などで研究して、成長する企業を探しておくべきですが、今からそれをやっても決して遅くはありません。なぜなら、今回の調整はどうやら長引く可能性がありそうだからです。

ややもすれば、日経平均がどうなった、こうなったということだけにとらわれがちですが、全体の動きは見てもしょうがないですし、それを予想するのも無理です。どんなに市場が下落し、低迷を続けても、確実に利益を挙げて成長を続ける会社はあります。ところがそんな会社でも他と同じように下がっているこういう時期こそ、仕込んでおく時期なのではないでしょうか。そういうことができる人だけが株式投資で大きな利益を手にすることができるということを忘れてはいけません。

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大江 英樹(おおえ・ひでき)
経済コラムニスト

大手証券会社に定年まで勤務した後、2012年に独立し、オフィス・リベルタスを設立し、代表に。資産運用やライフプランニング、行動経済学などに関する講演・研修・執筆活動などを行っている。近著に『定年前、しなくていい5つのこと』(光文社新書)など。