管理型教育では子どもは自立しない

自己管理能力は、時間割で縛るような「管理型教育」では身に付きません。

そもそも、「管理的な関わり方をしないと、子どもは自己管理できない」という発想は、子どもというのを危なっかしく、信用できない、未熟な存在とみなしているから生まれます。

でも、職場で部下を育成するときと同じで、あれこれ指図し、管理していては、本人のモチベーションはまったく上がりませんし、何より、指示待ち人間を育ててしまうことになります。

なぜ親は「時間割」を作ってしまうのか

自己管理能力を育てるのは、「放牧型教育」です。転んだりつまずいたり、失敗を乗り越えて、子ども自らが力を獲得していく。子どもを信用し、尊重するからこそ放牧型を選ぶことができます。

カジュアルな放牧スタイルで取材に応じてくれた宝槻さん。
カジュアルな放牧スタイルで取材に応じてくれた宝槻さん。

そして、21世紀に求められる力を身に付けるうえで必要なのは、放牧型教育です。20世紀は管理型教育が主流でした。「子どもは何も知らない、空っぽのコップのような存在だから、そこに水をそそぐように知識を与えるべき」というのが、20世紀型の詰め込み教育です。子ども自身が自由に興味、関心を持ったことを自ら学びとる、21世紀の放牧型とは対極にあります。

そう聞くと、「21世紀型の放牧型教育がいいな」となるでしょう? みなさん薄々、管理型には限界がきていると気付いていて、放牧型に向かいたいと思っているはずです。でも、自分がそういう教育を受けてこなかったので、どうしていいかわからないし、「本当にうちの子はそれで学んでくれるんだろうか?」と不安になる。それで時間割を作ってしまうわけです。