机の上にToDoリストを置かないほうがいい理由

やるべきことを忘れないように、その日にやることをリスト化する、という場合は、そのToDoリストは、デスクの上に置かないようにしてみましょう。

菅原洋平『「疲れない」が毎日続く! 休み方マネジメント』(河出書房新社)

脳は、ToDoリストを見たときに、一つひとつの作業を記憶するのに容量を使います。

実は、脳が一度に覚えられる容量は「4つまで」ということが明らかになっています。

いま、何か作業をしていて、その途中でToDoリストを見たら、リストの5つ目を見たところから容量オーバーになってしまい、いま取り組んでいる作業に戻ったときに「どこからやるんだっけ?」と、作業再開に時間がかかってしまいます。

認知コストもかかりますし、再開するたびに時間をロスしてしまいます。

これを防ぐために、ToDoリストを書いたら、それをデスクやバッグにしまって、作業中は、直接目に入らないようにしましょう。

1つのタスクを終えたら、リストを取り出して1つ消して、次のタスクを確認したら、リストは見えないところにしまう。こうすれば、4つしかない脳の容量を目の前のやるべきことに費やすことができます。

今すぐやめた方がいい「PCに付箋でタスク管理」

もし、PCのディスプレイの周りにやることを書いた付箋を貼っていたら、それも脳が疲労する原因になります。

作業中に付箋に書いてあるタスクを目にしたとき、脳は、その行動を抑制しなければなりません。これに認知コストがかかるので、付箋がたくさん貼ってあるPCで作業をするだけで、脳は、疲労してしまうのです。

私たちは、忘れてはいけない用事を「忘れないように」と思って見えるところに書いておこうと考えますが、脳の立場では、いまやるべきことがわかりにくくなってしまいます。

脳が混乱せずに1つのことに集中できるように、やるべきことを付箋に書いたら、手帳に貼って手帳を閉じるなどして、見えない工夫をしてみましょう。

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菅原 洋平(すがわら・ようへい)
作業療法士

ユークロニア代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニアを設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。著書に『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる!』(文響社)などがある。