きりの良いところで区切ってはいけない
辞書機能をうまく使うには、行動をどこで区切るかがポイントです。
たとえば、「企画の打ち合わせ」という行動は、どこまでが区切りでしょうか?
打ち合わせが終わった時点が区切りだ、と思うかもしれません。しかし、ここで区切って保存すれば、脳は、打ち合わせ内容から資料をつくる作業に移るときには、新しく行動を組み立てて体に命令しなければなりません。これは脳に負担がかかるので、「面倒くさい」と感じて、先延ばしが発生します。
行動の区切りは、自分で勝手に決めることができます。「デスクに戻って企画書を1行書くまでが打ち合わせ」と保存し直すことができれば、脳は、打ち合わせの次に行う作業をあらかじめ下見することができます。すると、作業を再開するときには、すんなり体に命令することができるのです。
脳に「次の作業を少しだけ見せて準備させておく」つもりで、少し手をつけて区切ってみましょう。
脳を疲れさせないタスク管理のコツ
「片づけなきゃ」と思ったら、「デスクを片づける」とつぶやくのではなく「書類をファイリングする」とつぶやくことが大切です。
「○○する」と言葉を変えるのを実行してもらうと、最初は「ちゃんとする」「しっかりやる」という感じで、大きな概念をつぶやいてしまいがちです。
これも脳にとってはわかりにくいので、もう少し具体的にします。
「ちゃんとする」よりは、「片づける」と言えば少し具体的になります。しかし、片づくまでにはいくつも工程があるので、脳はまだまだどの動作を検索すればいいのかがわかりにくいです。実際、片づけるとは言っても、「どこから手をつければいいんだろう」と立ちすくんでしまうこともあると思います。
そこで、いまから確実に実行できることを具体的につぶやいてみましょう。「片づける」を「書類をファイリングにする」に変えるのです。
これは、さまざまな場面で応用できます。外出から帰ってきてバッグから書類を出したら、デスクに置く前に、「企画書をつくる」とつぶやきます。すると、いままではメールの返信から作業が始まって企画書が後回しになっていたのが、すんなりと企画書に取り組むことができます。