「ネガティブを紙に書きだすこと」がよく効く!

さて、次に長期的な解決策をご紹介します。

物事を悪く考えてしまう、悲観的で心配症、マイナス思考な自分を変えるには? その方法はとてもシンプル、「書くこと」です。

堀田秀吾『科学的に自分を変える39の方法』(クロスメディア・パブリッシング)
堀田秀吾『科学的に自分を変える39の方法』(クロスメディア・パブリッシング)

テキサス州にある南メソジスト大学のペネベーカーらの実験によると、「1日15分、ネガディブな感情について筆記すること」を4日間続けると、(筆記直後にはネガティブな感情が強まるものの、)長期的にはポジティブになることが示されています。

実験から4カ月後、「自分の感情について書いた被験者」と「部屋の様子など、表面的な事柄だけを書いた被験者」を比べると、前者は気分感情の改善が認められ、更に体調不良の日数や健康センターへの訪問回数が明らかに少なくなっていたのです。体にまでよい影響があるんですね。

また筆記の際、「洞察語」つまり「思う·感じる·わかる」などの思考や理解に関する語を多く用いるほど、ネガティブ感情が軽減されることもわかっています。自分の考えや感情をより深く掘り下げて書くことが重要なようです。

もし、思考がマイナスに傾きがちなことにお悩みなら、感情を紙に書き出すことを習慣にしてみてはいかがでしょうか? ただし、寝る前に行う場合には、気分転換をして楽しい気持ちになってから眠るのを忘れずに!

写真=iStock.com

堀田 秀吾(ほった・しゅうご)
明治大学法学部教授、言語学博士

1968年、熊本県生まれ。シカゴ大学言語学部博士課程修了。ヨーク大学ロースクール修士課程修了・博士課程単位取得満期退学。専門は、司法におけるコミュニケーションの科学的分析。言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を横断した研究を展開している。テレビのコメンテーターのほか、雑誌、WEBなどでも連載を行う。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』(アスコム)など、著書は50冊を超える。