中国・湘北省など流行地から帰国したら14日間は自宅待機に
今後は企業の対応も迫られるだろう。具体的には中国への出張を延期したり、駐在員を一時帰国させるケースも増えそうだ。このほか時差通勤や在宅ワークへ切り替えるなど、感染の広がりを防ぐ手立てが求められる。
「帰国後は症状の有無にかかわらず、14日間は自宅待機や在宅ワークにするといいでしょう。どうしても出社する必要がある場合は、マスクの装着と手洗いは必須です。中国から来日した方についても同様です。もちろん、症状がある場合は近くのクリニックで良いので病院を受診してください。その際に事前に中国への渡航歴や患者さんと接触した可能性を申告しておくと、混乱が生じません」
基礎疾患がある人は若くても要注意!子どもは軽症例が多い
「未知の感染症」だったCOVID-19だが、次第に概要がわかってきた。専門家の意見をまとめると、2002年に発生した同じコロナウイルスが原因のSARS(重症急性呼吸症候群)より潜伏期間が長く(4.7日vs.12.5日)、風邪に似た症状がだらだら続いた後に軽快する軽症例から、重症の肺炎をおこす例まで症状は幅広い。全体的な致死率(致命率)はSARSより低いと考えられる(9.6% vs.中国国内2.2%、中国以外1%未満)。
ただし、高齢者や若くても糖尿病や高血圧、慢性の腎臓病など基礎疾患を持っている人、あるいは免疫が低下している妊娠中の女性は重症化のリスクがあるので慎重に経過をみる必要がある。自宅でご高齢の両親を介護している方は、自分が感染ルートにならないように手洗いを徹底しよう。一方、SARSの流行時と同じく子どもは感染しても重症化はしにくいようだ。