マスク生活はわれわれが背負うべき永遠の十字架か
2020年3月2日に全国の学校が突然の一斉休校となってからこの3月で3年になる。突然の休校から文字通り切れ目なく続いた3年間の制約の多い生活は子どもの日常を一変させた。コロナ禍以降、子どもの体力低下や体重の増加などが報告されるだけでなく、自殺の増加など子どものメンタルヘルスの深刻な悪化を示す例も示されている。国立成育医療研究センターの研究でも摂食障害の子どもの数がコロナ禍で増加したまま高止まりしているという(参考1)。
感染拡大当初、コロナウイルスが「未知の感染症」であったころはともかく、オミクロン株に変異し重症化率が低下したことが明らかになった後もなお、1年にわたってそれまでと同じ感染対策が続けられたことには、極めて厳しい批判もある。例えば、全国に先駆けて黙食を原則撤廃した千葉県の熊谷俊人知事は、「最も重症化しづらく、最もマスクによる弊害が考えられる幼児・小学生が事実上、マスクを常時つけ、私たち大人が当たり前のように経験してきた貴重な経験を一部、一方的に奪われ続けてきたことは日本人が永遠に十字架として背負うべきものだ」(参考2)と述べている。
2023年度からは学校でもマスク着用緩和へ
ただ、ここに来て、長らく続いたマスクや黙食といった学校感染症対策にもようやく出口の兆しが見え始めた。2022年末には、給食の時の過ごし方について、適切な対策を行えば会話は可能だとする通知を文部科学省が都道府県の教育委員会などに出している。さらに2023年2月10日には、学校の授業において4月1日以降、基本的にマスク着用を求めないとする通知が、各地の教育委員会に出された。